日本株の下向きの空中戦始まる
昨日のコメントで、
「欧米株が調整基調にもかかわらず、日本株は下げ渋っています。しかし、以前のように先物で買い仕掛けが入り、どんどん上がっていく、という雰囲気は全くなく、むしろ売る崩しの仕掛けが散発的に入っているが、なかなか追従する向きが出てこない、という状況です。SQまでは買い方が頑張る、ということならば今週金曜日まで、円安ドル高進行しているうちは売り崩しが難しいということならば6月17日まで、ということになりますが、いずれにせよ時間の問題で日本株も欧米株の調整に追従する動きが始まるでしょう。」
と書きましたが、本日の午後2時頃から突然下向きの空中戦が始まりました。
これまで、欧米株下落にもかかわらず、今週金曜日のSQを20,500円以上にしたい、という向きが頑張って下げ渋っていましたが、今日は海外市場での下落を引き継ぐ、いわゆるギャップダウンの形で始まったため、さすがに買い支えも効かず、売り仕掛けを受けて投げさせられた、ということでしょう。これまで下げ渋っていた分、下げのエネルギーが今日だけで放出終了したとは思えず、明日明後日は予断を許さない状況が続くと思います。
目先の下値めどですが、ここ数カ月続いている空中戦(現物主導ではなく先物主導のボックス圏内の上げ下げ)の延長ですので、バリュエーション論よりもテクニカル論が有効だと思います。過去3カ月を振り返ると、日経平均先物は4月初めと5月のGW明けの2回19,000円でサポートされ、4月20日は19,500円でサポートされました。また、75日移動平均線は今日時点で19,600円ですので、少なくとも19,500-19,600円までの下落はあり、19,000円まで下落する可能性がメインシナリオでしょう。
ボックス圏内での空中戦は、ボックスの下限で買い上限で売る、という対応が有効ですが、買いポジションを取るに当たり、決してボックスの下限を決め付けて買い下がってはいけません。安値から少なくとも100円位上昇して、底打ちを確認してから買い始めるべきです。「目先の安値は19,000円がメインシナリオ」と言っても、それ以上の、例えば18,500円までの下落があるかもしれませんから。空中戦でのレンジはしょせん結果論であり、論理的に導き出された水準ではないのです。また、空中戦がいつまで続くかわかりませんが、最後には中長期投資家が現物の売却を始め、ボックスの下限を下に抜け、現物主導で下落トレンド入りする、ということを忘れてはいけません。
ドル円は第1の安値めどが123.50円近辺、第2の安値めどが122.50円近辺です。したがって、123円台後半は買い下がり、もし123.50円を下回ったら123円台前半は買わずに122円台後半を買い下がる、という対応をお勧めします。調整しながら6月17日のFOMCを迎えたら、FOMCを受けて大きく円安ドル高に値が飛ぶ可能性が出てきます。6月17日までにはドルロングのポジションを積み上げておきたいところです。