ギリシャ合意で目先好材料出尽くし
昨日夕方に、「ギリシャと債権国が合意」との報道があり、それを受けて世界的にリスクオフ解消の動きとなり、世界的に株は上昇、ドル円も大きく円安ドル高進行となりました。まだ、ギリシャは15日までに財政再建についての合意内容を法律化する、というプロセスは残っているものの、これは達成される見込みが高く、もはや市場にとってギリシャ問題は過去の話になった、と言えるでしょう。最終的にチプラス政権が退陣に追い込まれる可能性はあるものの、それはあくまでギリシャ国内の問題であり、市場に影響は無いでしょう。
ギリシャ問題がもはや過去のものになったとはいえ、今は小康状態にある中国株下落の問題は「今後中長期にわたり顕在化する悪い話が、まさに始まったばかり」という状態であると言えます。また、米国ではすでに始まっていますが、再来週からは日本でも4-6月期業績発表が本格的に始まります。ギリシャ問題解消で反発した現状の株価水準を起点に考えると、業績発表の内容が株価一段高の材料になるほど好調なものになるとは思えず、次のニュースフローは、中国株にせよ、企業業績にせよ、株価にとって好材料ではなく悪材料となると思われます。
結論としては、しばらくの間、日本株は19,000-20,500円のボックスとなる可能性が高く、本日の水準では売りポジションを取り始めていいと思います。ドル円は円高方向へのオーバーシュートが解消され、122.00-125.00円(狭く言うと122.50-124.50円)のボックスの中に戻っています。日銀ないしはFRBに政策変更がない限り、このレンジ内での推移を予想します。
株、ドル円ともに戻ったことにより、明日の日銀決定会合で追加緩和がある可能性はほぼ無くなったと思います。したがって、次の政策変更の可能性は、9月17日のFOMCで利上げがあるかどうかです。