米国企業業績は株価下押し要因だった-今週から日本企業発表本格化で…
米国企業の4-6月期業績発表はすでに峠を越えていますが、これまでを振り返ると、アップルに始まり、IBM、マイクロソフト、ユナイテッド・テクノロジー、スリーエム、キャタピラーと、主力企業で業績発表を受けて株価が下落したものが散見される結果です。アマゾンのように発表を受けて株価が上昇した銘柄もありましたが、総じて言うと、世界景気敏感業種は予想以上に不振、景気変動の影響を受けにくいインターネット関連業種などは業績堅調、と言えます。
これは、前回のコメントでご説明した、世界的に株式市場が最大のリスクとみなしている「世界景気の減速」が、業績発表により顕在化を始めたということです。特に、今や巨大な経済規模となっている中国経済の成長減速の業績への影響が、中国株下落の影響を受けていない4-6月期から顕在化し始めていることは注目です。中国株大幅下落の影響が出始める7-9月期には、業績に一層の悪影響を及ぼすことはほぼ確実だからです。
日本でも先週から4-6月期企業業績発表が始まりましたが、本格化するのはいよいよ今週からです。中国をはじめとする世界経済の減速から、業績に悪影響を受ける日本企業は米国企業よりもはるかに多いことは、前回のコメントでご説明しました。前回のコメントで、
「日本株は少なくとも『上げ止まる』か『ボックス圏内での調整』になる可能性が高いと思われます。」
と予想しましたが、これまでの流れを踏まえると、「ボックス圏内での調整」すなわち、「ボックスの下限を試しに行く」可能性が高そうです。
今年4月以降のボックスの下限は、日経平均19,000円です。直近安値は19,115円(7月9日)です。今回の調整波動でも20,000円ではサポートされずに、少なくとも19,500円割れ、もしくは19,000円近辺までの下落となりそうです。
初期は日本株の下落に引っ張られ、ドル円も円高ドル安方向に調整する可能性が高いと思いますが、122円台ではサポートされると思いますので、123円近辺からは買い下がりの対応で問題ないと思います。7月29日のFOMC声明と7月30日に発表される米国4-6月期GDP次第で、9月17日利上げ開始の可能性の高まりを市場が織り込んで、円安ドル高進行する可能性も小さくないと思います。