ファナック下方修正-中国経済減速の業績への悪影響顕在化始まる
本日引け後にファナック(6954)が4-6月期業績発表を行い、中間期、通期ともに会社業績予想を下方修正しました。4-6月期実績営業利益は740億円(市場予想は807億円)、中間期営業利益予想は1594億円から1278億円に、通期営業利益予想は2646億円から2182億円にそれぞれ下方修正されました。通期営業利益の市場コンセンサスは2833億円でしたので、見事なネガティブ・サプライズです。新たな会社予想が示すことは、四半期ベースでは4-6月期がピークで、今期いっぱい減速が続く、ということです。
下方修正の背景は、中国向けを中心に受注が急減していることです。ファナックの業績をこれまでけん引してきた分野は、スマホの躯体(ケース)加工などに使われるロボドリルでした。ファナックの下方修正は、中国でのスマホ向け設備投資が、予想通り一巡してきていることを示すものであり、今後さらに株価下落による逆資産効果が顕在化していくことを考えると、中国経済成長減速から来る今期の日本企業への業績悪影響は甚大なものになると予想されます。
ファナックというシンボリックな銘柄で、中国経済減速の影響というシンボリックな要因でのネガティブ・サプライズとなる下方修正は、市場全体の雰囲気を悪くするには十分でしょう。ちなみにファナックの日経平均寄与度は約4.5%で、現在PTS(市場外取引)でファナック株は16%下落となっています。つまり、日経平均を約0.7%(約140円)押し下げるインパクトです。
今日の日本株は中国株に振り回される展開でしたが、今後業績発表が進んでいくにつれて、中国株やドル円など外部環境とは関係なく弱含んでいく展開が想定されます。