7月FOMC終了&中国景気減速の影響
昨日米国で7月のFOMC声明が発表されました。内容はこれまでと変わらず「米国景気は着実の改善している」「年内に最低1回の利上げを行う予定だが、その時期は経済データ次第だ」というものでした。今晩発表される米国の4-6月GDPが余程弱い数値でない限り、「9月17日の(つまり次回の)FOMCで初回の利上げが行われる」という私の予想を維持します。
日本では4-6月期の企業業績発表が続いていますが、中国景気減速の悪影響があちこちに見られています。先日ご説明したファナックは設備投資の減速が背景ですが、消費減速の影響も見られます。一昨日業績発表したシマノ(7309)では、4-6月期の中国向け売り上げが前期比減少に転じました。前期は42%増加で業績成長のけん引役だったことを考えると、まさに「様変わり」の状況です。シマノが見込む今期の中国向け売り上げは前期比4%増の268億円(売り上げ全体の7.4%)ですが、7-9月以降さらに減速する可能性は高いでしょう。すでに会社は下期(7-12月期)にかなりの業績減速を織り込んだ予想(下期営業利益は前年下期比11%減益)となっていますが、控えめな予想とは言い難い状況です。
昨日業績発表をした日産自動車(7201)でも、悪影響が顕在化し始めているようです。本日の日経新聞1面の記事によると、中国の売り上げは1-3月期の11%増から4-6月期は0.5%増に失速し、さらに「中国はどんどん悪くなっている。株安の影響もあり7月は更に悪い。」(中国事業統括役員)とのことです。
これまでご説明しているように、株価下落による逆資産効果はタイムラグを置いて、各所に影響を与えていきます。つまり、株価上昇が継続しない限り、逆資産効果は時間がたてばたつほどあちこちに顕在化していくということであり、4-6月期よりも7-9月期、そして7-9月期よりも10-12月期と悪影響は広がっていくのです。
株価=業績×バリュエーション、のうち業績はピークアウト感が高まってきました。もう一方のバリュエーションは、米国利上げにより世界的に切り下がりが予想され、またGPIFの買いも9月までで終了する見込みで、日本株特有のプレミアム要因も無くなります。日経平均20,500円を超えている現状の株価水準は維持不能と思われ、カラ売りスタンスで臨むべきでしょう。