先物投機ポジションは買いにバイアス-投機合戦は売り方有利
昨日、次は安値トライの可能性が高いと書きましたが、先に19,000円トライの展開となりました。ただ、昨日は明確に見られた好業績大型株の個別物色の動きは本日は見られず、完全に、中国株を横目で見ながらの先物主導の値動きとなっています。目先は今日のような先物主導の展開が続くと思われ、投機筋の先物ポジションについての考察が重要です。
当然ですが、先物は現物株と違い、買い建て玉と売り建て玉の数量は常に全く同数です。ですから、本来は先物のポジションが買いバイアスとか売りバイアスとかという偏りは生じ得ません。しかし現在のような、大幅調整の直後では事情が違ってきます。
日経平均9月限り先物の建て玉枚数は、急落直前の8月18日時点では約33万枚でした。これが昨日時点では約60万枚とほぼ倍増しています。この背景には、日本株の現物ポートフォリオを持っている投資家(金融機関や年金基金など)が、先物を売ることで現物ポジションの一部をヘッジしてきたことがあると思われます。一方で、買い方はほぼすべて投機筋です。(先物を買うことがリスク・ヘッジになる投資家は、基本的には存在しないため。)
つまり、現時点では「売り建て玉=投機筋+現物株のヘッジ」「買い建て玉=投機筋のみ」という構図になっており、ヘッジの売り玉はそう簡単には買い戻されないため、必ず反対売買をしなければならない投機筋のみを抽出すると、買い建て玉が圧倒的に多い状況だということです。
つまり、投機合戦は少数派、すなわち売り方優位ということが言えます。19,000円トライをしている現在、株価水準からだけでなく、需給という観点からもカラ売り有利ということです。