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2015年9月1日のマーケット・コメント

今後の市場予想

 

自分の中で今後2-3カ月の相場展開の予想が固まりましたので、それをお伝えします。9月最大のイベントである9月17日のFOMCで初回の利上げが行われる、ということがメイン・シナリオの大前提です。

 

9月の市場変動要因;

1.9月17日の利上げに向けて米国株は軟調な動き。

2.9月17日に向けて、ドル円はじりじりと円安ドル高進行。

3.株価下落により9月いっぱいはGPIFの買い余力増加。これまでの行動を見ると、日経平均18,000円台前半では買いを入れてくると予想される。

 

以上から、日経平均は9月17日まではボックス圏内でのもみ合い。想定されるボックス圏は、上限は200日線、下落の半値戻り、以前のボックスの下限、直近高値すべてが当てはまる19,100円近辺。下限は直近安値から直近高値までの戻りの半値押し。日中の日経平均でいえば18,425円、イブニングも含めた先物でいえば18,175円。

 

9月17日の利上げ決定を受けて、円安ドル高進行加速。125円を明確に超える。米国株は9月17日に向けて短期ポジションは売りに傾いていくと予想され、利上げ決定で、最大の不透明要因払しょくということから一旦反発。米国株反発、円安ドル高進行を受けて、日経平均は一旦ボックスを上抜けし、20,000円手前まで反発。

 

10月以降の市場変動要因;

1.多くの中長期投資家は、四半期ごとの資産配分変更会議において世界的に株の配分比率の削減を決定。(株が戻っているなら、なおさら削減を決めやすい。)

2.GPIFの買いは終了。

3.7-9月期の企業業績は、世界的に4-6月期以上に迫力不足。

4.10月30日の日銀決定会合で追加緩和を予想。

 

以上から、株は10月から再び下落トレンドが鮮明になり、直近安値を下回っていく。日経平均でいえば、日中の安値は17,714円、イブニングも含めた先物でいえば17,160円が直近安値。株安を受けて、ドル円は125円を下限にもみ合い。(125-128円とか。)

 

株安から来る政治圧力もあり、10月30日に日銀は追加緩和決定。ドル円は130円を明確に超える円安ドル高進行。日本株は瞬間反発するものの、時間の問題でピークアウトから下落へ。

 

FRBはこれまで「年内に最低1回は利上げを行う」「米国経済は順調な回復が続いているが、最大のリスクは海外経済(米国以外の国の経済)の失速による米国経済への悪影響」と言い続けてきた経緯があり、雇用統計や4-6月期GDPはまさに「米国経済の順調な回復」を表しています。したがって、9月17日に利上げを見送る理由を探すのは困難だと思います。

 

可能性は低いと思いますが、もし9月17日に利上げが見送られた場合、FRBは短期的な市場変動により金融政策の方針を変えてきた、ということになり、米国市場でFRBに対する信認が著しく損なわれることになり、大規模な「リスク・オフ」になると思います。すなわち、米国株下落、米ドル下落です。日本株も下落でしょう。ただ、その場合でも円高ドル安進行は限定的(119円割れ程度か)だと思われ、10月30日に予想される日銀の追加緩和で円安ドル高トレンドに回帰するでしょう。