GPIFの買いに関して&日本株のボックスレンジ推移
本日は、日本株は予想通り反発となりましたが、予想に反して買い手はGPIFではなく、買い戻しの様相です。これまでGPIFが買っていると言われた日に見られたような、優良株全般が買われている、あるいはバリュー型大型株全般が買われている、という特徴が本日は見られず、本日大幅上昇している銘柄の共通点は、カラ売りが多く入っていると思われる銘柄だからです。
シルバーウィーク明けの先週木曜日、金曜日はGPIFの買いが観測されましたが、今週は全く観測されないことで、あることに気がつきました。GPIFは、おそらく資産残高管理を約定ベースではなく、受け渡しベースで行っているのではないか、ということです。つまり、月内受け渡し最終日だった先週金曜日が、今月の最終売買日だったのではないか、ということです。
9月中に買い増したと推測される金額と株価下落を合わせて考えると、9月末の日本株組み入れ比率は23%程度に終わったと推計されます。運用状況公表は四半期ごと(3,6,9,12月末)に行われますので、9月末時点で残った買い余力は、12月末までの市場動向を見ながら使ってくるでしょう。すなわち、明日以降も当面は様子見となると思われます。
ところで、これまでのコメントで何度か「株はハイボラな展開が続く」とご説明してきましたが、「ハイボラな展開」をもう少し丁寧な表現でご説明します。ハイボラ=ボラティリティが高い=乱高下、という事なのですが、そこに説明を加えると「一定のレンジの中を乱高下する展開。その一定のレンジは変化する。」となります。
8月下旬の急落以降、しばらくはその「一定のレンジ」は日経平均で17,500-19,000円でした。しかし9月24日のイブニングで、先物は一時17,060円まで下げ、さらに昨日に中に16,890円まで下落したことにより、レンジの下限は17,000円近辺に変化したと思います。また上値に関しても、9月17,18日に18,380円までしか戻らず、9月25日のイブニングでは18,020円までの戻りにとどまり(いずれの日もドル円は121円近辺までの円安ドル高進行)、18,000円近辺に変化した可能性が高いです。つまり現在のレンジは、17,000-18,000円ということです。
早ければ新四半期入りする明日、遅くとも米国で企業業績発表が始まる10月12日の週からは、中長期投資家のまとまった現物株売りが始まり、先物・オプション業者が作り出すハイボラな展開は終わり、極端に言うと毎日小幅下落のような展開に変わっていくでしょう。ハイボラを楽しめるのもあとわずかです。