本日の日本株市場で行われたと思われること
本日の日本株は、強めのGDPの発表を受けて強含んで始まったものの、その後すぐに下落基調となり、日中下落を続け、結局大幅下落で引けました。今日の日本株市場を見て、いくつかのことが行われたと思われます。
本日の日本株市場の特徴は、
1.先物に継続的な売りが入っていた。
2.医薬品、食品、小売、保険など、これまで相対的に値持ちが良かった内需・ディフェンシブ業種が大きく売られた。
3.鉄鋼がプラスだったことに象徴されるが、低PBR銘柄に買いが入っていた。
まず、1.の背景ですが、中長期外人投資家が日本株の配分比率を削減するために、1日かけて大量の先物を売っていたことだと思われます。(たとえば1日で日経平均先物を1万枚売るとか。)彼らは資産配分比率を削減する時に、まず流動性の高い先物でポジションを取り、その後、現物株の売却状況に応じて先物のポジションを減らしていく、ということを行います。(増やす時も同様です。)
2.の背景ですが、国内外の機関投資家が、日本株の保有金額を減らすために、日本株現物ポートフォリオの保有銘柄すべてを一部売却してきたことだと思われます。業種ごとの株価の推移を見れば、年初来、8月半ばまで、彼らは景気敏感業種を減らし、内需・ディフェンシブ業種を増やす、という銘柄入れ替えをしてきたことは明らかです。ですので、保有銘柄すべてを一部売却する際に、内需・ディフェンシブ業種の方が市場インパクトを出してしまった、ということです。
3.の背景ですが、おそらくGPIFに採用されているバリュー戦略で株運用を行っている会社が、ポートフォリオ全銘柄の買い増しを行った、ということだと思われます。前回のコメントでご説明しましたが、GPIFは今月中に日本株の買い増しを終える予定だと思われ、現状の株価水準であれば日本株の買い増しを行うと思われます。GPIFは様々な戦略の運用会社を採用していますが、今日はバリュー戦略運用での買い増しを行ったということでしょう。
今後の投資行動を考える上で重要なことは、1.と2.の動きは10月以降加速していくこと、3.の動きは9月いっぱいで終わること、の2点でしょう。以前お伝えした通り、9月17日に利上げがあり、円安ドル高進行する中、9月中は日本株は戻りの上値を試す展開だが、そこは「最後の売り場」で、10月以降は大幅下落、と予想します。9月17日に向けて安いところは買いだが、9月中には買いを手じまい全力カラ売り転換、という対応です。