1月FOMC終了
昨日米国でFOMC声明が発表されました。注目の次回の利上げ時期に関しては、これまで通り何の示唆も示しませんでした。前回までなかった表現として「我々は世界の経済・金融情勢を注視しているほか、そうした情勢が労働市場やインフレ、また見通しのリスクバランスに対してどのように影響するか精査している」と加えられました。その上で、「今後の金利変更の時期と規模を判断する上では、我々は最大限の雇用確保と2%のインフレ率達成に応じた経済情勢を現状と予測の面から精査する」「FF金利の実際の道筋は入手する経済データに基づく経済の見通しに左右される」としました。あくまでも今後の利上げのスケジュールは、あらかじめ決まっておらず、毎回のFOMC時点での判断に基づく、という従来の姿勢を維持しました。一部で市場が期待していた「3月利上げの可能性の排除」は示されなかった、ということです。
上記のわかりにくい表現をわかりやすくすると、
1.基本方針としては、年内に後3-4回0.25%ずつの利上げをして、年末時点ではFFレートを1%台に乗せたい。(その後の利下げ余地確保のため)
2.ただし、世界の経済・金融情勢次第では(新興国などの経済成長減速加速や株式市場の更なる下落があるようなら)、利上げを見送らざるを得ない会合も出てくる。
3.どう見てもここでの利上げは無茶でしょう、という状況でない限り、3月も含めて6、9、12月の会合での利上げには前向き。
市場の反応ですが、3月利上げの可能性排除がなかったことを嫌気して、米国株は下落の反応でした。為替市場では、対ドルでユーロは売られましたが、円は買われるというわかりにくい反応でした。少なくとも為替市場では、明日の日銀決定会合での再追加緩和決定を織り込んでいるとはいえません。原油市場はFOMCには反応なしでした。
明日はいよいよ日銀決定会合です。上述のように為替市場では再追加緩和決定が織り込まれている様子はまったくなく、シカゴ筋のポジションも4年ぶり高水準の円ロングです。日本株は昨日本日ほんのりと再追加緩和が織り込まれてきた感はありますが、ほんのりに過ぎません。だとすれば、
再追加緩和なし=ドル円動かず、日本株若干下落
再追加緩和あり=ドル円大幅に円安ドル高進行、日本株上昇
という反応が予想されます。リスク・リターンのバランスの見地に立てば、「再追加緩和あり」に賭けるべき、ということです。(当たったときのリターンのほうが、外れたときのリスクよりも有意に大きい。)