2016年波乱の幕開け-世界的に株式市場は新たな下落波動の始まり
大発会の本日は、まさに「大荒れ」となりました。寄り後しばらくは堅調な展開でしたが、中国市場が開き、予想以上に弱い12月のPMI指数の発表を受けて大幅下落で始まると、日本株は急落、ドル円も株下落に引っ張られ、急激に円高ドル安進行となりました。中国株は、結局下げ止まらずに7%下落し、新規設定されたサーキットブレーカーが発動し、14時33分に終日取引停止となりました。
中国株がこれだけ下落したのは昨年8月以来初めてで、上海総合指数は支持線となっていた75日移動平均線を明確に下抜けたこと、年が明け新四半期入りし、中長期投資家の株式保有削減が起こりやすくなったこと、サウジアラビアとイランの対立という新たな悪材料が発生したことなどを考えると、昨年8月と同様に株式市場は世界的に新たな下落波動が始まったと見ていいでしょう。下落波動の大きさが15%下落、日経平均の下げ始めを年末終値の約19,000円だとすると、下値めどは16,150円ということになり、9月の安値16,901円を更新することになりそうです。
ドル円は、株急落となった本日は、昨年8月と同様に円高ドル安方向に引っ張られました。(ただし昨年8月に比べ現在はドルロング&円ショート・ポジションがそれほど積み上がっていないために、昨年8月のような暴力的な調整につながりませんでした。)しかし、ファンダメンタルズから円高ドル安進行する理由は何もなく、昨年9月に見られたように株下落が続いても、短期ポジションの調整が終わってしまえば、120円台回復は早そうです。ただ、移動平均線が集中する121円台前半は重くなった感があり、そこを上抜けるためには米国で強い経済指標が発表され、3月再利上げ観測が強まる必要があるでしょう。
ところで以前から何度か、昨年からの株式市場の動きと2007年から2008年の動きの相似性を指摘してきましたが、2008年の大発会も日経平均は617円安と急落でした。「偶然の一致」でしょうか・・・。昨日発売の日経ヴェリタスに恒例の相場見通しアンケートが掲載されていますが、現状ですでに多くの悪材料が顕在化しているにもかかわらず、前回にも増して私の予想の弱気度が際立っていることが、正直言って不思議でなりません。
今年も周囲の雰囲気に流されず、独自にロジカルに考えたコメントを出していこうと思っています。本年もよろしくお願いします。