日本の業績発表始まる-注目点は下期の予想
先週木曜日の安川電機(6506)を皮切りに、本日はJSR(4185)、日本電産(6594)などが業績発表を行い、いよいよ日本でも7-9月期業績発表が始まりました。今期業績の会社予想、およびアナリスト予想は、「上期は減益だが下期は増益で通期ではほぼフラット(微減益ないしは微増益)」というものです。具体的な数字で御説明すると、Russel/Nomura Large Cap(除く金融)全体として、会社側発表の経常利益予想は、上期が18.6%減益、通期では2.1%減益となっています。つまり、下期は約15%の増益が予想されています。ちなみに4-6月期実績は17%減益と、ほぼ予想通りでした。
つまり、今回の7-9月期業績発表での最大の注目点は、下期回復シナリオがどの程度維持されるのか、下期回復シナリオを維持するのであればその根拠は何か、です。原油価格の回復により、産油国の財政悪化は小康状態にありますが、それ以外の外部要因で下期回復の根拠は見当たりません。すでに業績発表が始まっている米国では、先週末までに約20%の銘柄の発表が終わったところですが、金融およびディフェンシブ銘柄は予想を上回る内容だったのに対して、アルコア、インテル、AMD、GEなど、景気敏感銘柄は軒並み今後の見通しを下方修正しています。
すでに業績発表をした銘柄を見ても、安川電機(6506)は営業利益予想が「上期110億円通期280億円(下期170億円)」が「上期実績135億円通期280億円(下期145億円)」と下期だけ見れば下方修正、JSR(4185)は「上期170億円通期350億円(下期180億円)」が「上期実績123億円通期260億円(下期137億円)」と上期未達、下期下方修正でした。日本電産(6594)は「上期635億円通期1300億円(下期665億円)」が「上期実績690億円通期1350億円(下期660億円)」と「さすが日本電産!」という内容でしたが、上期上ぶれ分を通期予想に上乗せで下期見通し変更なし、でした。
米国株全体(S&P500)に占める景気敏感業種の時価総額ウェイトは、わずか15%しかなく、市場全体としてディフェンシブ性が高いのに対して、日本株全体(TOPIX)の場合、約50%が景気敏感業種なので、市場全体として景気敏感性が高いです。景気敏感銘柄の個別の業績動向および株価動向が、株価の集合体である指数の動きに反映されるのは当然であり、世界景気後退による景気敏感銘柄の業績悪化を背景とする株価下落局面では、日本株の下落は米国株の下落よりもはるかに大きくなって当然だ、とご認識ください。
現在、日経平均は17,000円台での推移となっています。今年2月以降、上下に短期間突き出たところはありましたが、おおむね15,000-17,000円での推移となっています。業績発表が進めば下期業績懸念が大きくなることにより、17,000円台の持続期間はまたしても短期に終わると思われます。