「トランプ相場」終息の気配
9日10日の壮大な往って来いから始まった「トランプ相場」ですが、そろそろ終息の気配を感じます。昨日は日経平均、TOPIXとも上昇していましたが、7-9月期業績発表で良好な内容だった、いわゆる優良大型銘柄の多くが株価横ばいか下落していました。日本電産、信越化学、三菱商事、三井物産、三菱地所、SMCなどの銘柄です。さらに本日は、「トランプ相場」のけん引役だった銀行、生保が下落しました。また本日の業種間の値動きは、景気敏感業種から内需・ディフェンシブへの資金シフトを示唆する内容で、中長期資金のファンド・マネージャーが相場下落に対する備えを始めたことが伺えます。
「トランプ相場」の主な参加者は、中長期資金のファンド・マネージャーが金融業のアンダーウェイトをニュートラルに引き上げるまで買った以外は、基本的に短期投資家だと思われます。上へのトレーディングに参加した短期投資家の多くが「日経平均18,000円、ドル円110円」をわかりやすい目標にしていたと考えられ、昨日の欧州時間に日経平均先物は17,950円、ドル円は109.76円まで達し、達成感が出やすい状況です。
今になってみれば、具体的な政策はまだまったくの未知数であり、トランプ当選で急落するのもおかしいのと同じくらい急騰するのもおかしいでしょう。それを考えると、比較的短期間で(急落すると言う意味ではありません。じわじわ毎日下がるようなイメージです。)大統領選挙前の水準、すなわち日経平均は17,200円程度、ドル円は105円台前半程度までは調整し、そのごは12月14日FOMCと12月15日日ロ会談までは材料難の中、狭いレンジでのもみ合いが続く可能性が高そうです。
トランプ新大統領の保護主義的貿易政策に加え、12月14日の利上げ決定を受けて、新興国経済懸念から中長期投資が株式の配分比率削減に動き、世界的に株式市場は大きく調整する、という見方に変更はありません。