「トランプ相場」の持続期間予想
前回のコメントで、トランプ相場終息の気配とお伝えしましたが、まだトランプ相場は持続しています。株、ドル円ともに押し目らしい押し目がまったくない状態、というのが今回の「トランプ相場」の特徴だといえるでしょう。そこで過去の同様の相場の持続期間を振り返ることで、トランプ相場の持続期間を予想してみます。
「株、ドル円ともに押し目らしい押し目がない状態」は、アベノミクス相場が始まって以来、3回ありました。1回目はアベノミクス相場初動の2012年11月15日から2013年3月21日、2回目は黒田バズーカ第1弾発射後の2013年4月3日から5月23日、3回目は黒田バズーカ第2弾発射後の2014年10月31日から12月8日です。様々な理由から他の先進国株式市場に比べ、長期間低迷を続けていた後の初動上昇期間が長いのは参考にならないと思われるため、2回目と3回目の持続期間に注目します。その持続期間は、2回目は51日間、3回目は40日間でしたので、おおむね1ヵ月半といえるでしょう。
今回のトランプ相場の始まりは11月9日(東京時間では11月10日ですが、急落の反応は間違いだったとします)でしたので、1ヵ月半だとするとクリスマス頃、3回目と同じ40日間だとすると12月17日ということになります。その時期のイベントとして、12月14日FOMC、12月15日日ロ会談、12月20日日銀決定会合が挙げられます。FF金利先物価格から算出される、市場が織り込む12月14日の利上げ確率は、昨日時点で98%とほぼ確実に利上げがなされるという織り込みになっています。
以上を総合して、「株、ドル円ともに12月14日の利上げ決定で、出尽くしで調整開始。年明けから新興国への悪影響やトランプ新大統領の新政策実行力に対する不透明感などから、調整本格化。12月14日までは材料難の中、株、ドル円ともに高値もみ合い。」と予想します。過去3回は相場終了まで上昇持続でしたが、今回は業績好調とはいえない中で米国株は過去最高値、日本株も今期減益予想にもかかわらずTOPIXの予想PER16倍越えという株価水準を考えると、上昇持続よりは高値もみ合いの可能性が高いと考えられます。