日本株、ドル円ともに目先は高値もみ合い-可能ならボックス相場対応を
11月9日(日本では11月10日)から始まった「トランプ相場」ですが、さすがに世界的に上げ止まりの動きとなっています。米国株は上昇一服、米国長期金利上昇も一服、それらを受けてドル円も上昇一服、日本株も上昇一服となっています。トランプ・ラリーはこれで終了した可能性が高いでしょう。
しかし、前回のコメントでもご説明したとおり、終了=転換、ではありません。これだけの値幅を出して市場が動いた、ということは、得をした人(買いポジションを取った短期投資家だけではなく、この間動くことなく買いポジションを保有し続けてきた中長期投資家)の存在と同時に、損をした人(カラ売りポジションを取った短期投資家だけではなく、買いたいのに買い損なっている中長期投資家)も存在します。得をした人達は、損益的にも精神的にも余裕がありますので、じっくり構え焦った行動は取りません。上げ止まったからといって、一転売り叩く必要など無いのです。一方で損をした人達は、少しの下落でやれやれで行動(たいがい、損が少し小さくなったことを受けて損切り)を取ります。
つまり、今回得をした人達が焦って売って来るような状況(=転換)になるまでは、高止まりでもみ合い、という期間が挟まるのです。ウィスコンシン、ペンシルベニア、ミシガン各州の大統領選挙の再集計は、どのように発展して行くのか不明なため、考えないことにすると、次の大きなニュースフローは12月14日FOMCでの利上げまで何もありません。すなわち、少なくとも12月14日までは、ドル円も日本株も狭いレンジでの推移が想定されます。
標本数が少ないため、レンジを定める根拠は強くありませんが、ドル円は111-113円を中心に110-114円、日経平均は18,200-18,400円を中心に18,000-18,500円というところでしょうか。当面は小さなポジションでレンジの中を小刻みに取って行くか、あるいは前回ご説明したように、転換するまで静観するかでしょう。