日本株の相場つきに変化
金曜日の米国市場で、米国株上昇、円安ドル高進行となったことを受け、本日も日本株は上昇しました。しかし、個別銘柄の動きを見ると、明らかに先週までの相場つきから変化が出ています。先週までの相場上昇を主導していた銘柄群が、本日は下落に転じています。売買代金上位で言うと、メガバンク、野村證券(8604)、東芝(6502)、三菱商事(8058)、コマツ(6301)、SMC(6273)などが株価下落しています。
業績懸念がありながら、トランプ相場に乗り株価上昇してきた銘柄群も、株価下落している銘柄が目に付きます。売買代金上位で言うと、新日鉄住金(5401)、海運株、住友金属鉱山(5713)などです。また、円安ドル高進行にもかかわらず、円安メリット銘柄の代表であるトヨタ(7203)の株価も横ばいに留まっています。
逆にトランプ相場でこれまで株価がほとんど上昇していなかった内需・ディフェンシブ銘柄で、株価上昇しているものが散見されます。NTT(9432)、KDDI(9433)、JT(2914)、セブン&アイ(3382)、食品株などです。以前もご説明したように、この動きはファンドマネージャーが相場下落に備えて、銘柄入れ替えをしていることが背景である可能性が高いです。日本株全体の上昇が、そろそろ終了する兆しだと言えます。
11月22日付のコメントで、今回のトランプ相場と2014年11月から12月の黒田バズーカ第2弾相場が、「大型ニュースフローをきっかけに、ドル円、日本株ともに押し目らしい押し目なく大幅上昇」という点で似ている、とご説明しました。黒田バズーカ第2弾相場での上昇幅は、日経平均で約2,000円、ドル円で約10円でした。11月9日の東京市場の反応を無視して(ある意味間違いだったと考えて)、11月8日終値をスタートとすると、日経平均は17,171円、ドル円は104.60円でしたので、今日の水準(日経平均19,155円、ドル円115.60円)でともに前回の値幅達成です。
また11月22日付けのコメントで、「前回とまったく同じ期間だと高値日は12月17日が該当。今回はその該当日近くの12月14日FOMCでの利上げで材料出付くし。」とご説明しました。その見方は維持していますが、ここまで強い流れができてしまうと、流れがすぐに転換する(下落に転じる)ことは考えにくく、少なくとも年内いっぱいは流れが終了するにとどまる(上げ止まり=高値もみ合いが続く)可能性が高いと考えられます。