FOMCは予想通り利上げ決定
昨日のFOMCで、大方の予想通りFFレート誘導目標が0.25%引き上げられ、0.50%-0.75%とされました。利上げ決定です。12月7日付のコメントでご説明したように、今回会合での利上げ決定は完全に市場に織り込まれており、今回会合での注目点は2017年のドット・チャートでした。私も含め多数派はドット・チャートには変化はない(2017年の利上げ予想回数は9月会合時の2回のまま)、と予想していましたが、今回は予想回数の中央地が3回になりました。声明内容も、「インフレ期待がかなり高まった」などとよりタカ派的になったことから、ドルは全面高となりました。
FOMC関係者の今回の2017年の予想利上げ回数は、1回2人、2回4人、3回6人、4回3人、5回1人、6回1人となっています。9月時点では、12月の年内1回の利上げ決定を前提にすると、0回2人、1回1人(おそらく、これらは前回年内利上げなしを予想した3人)、2回7人、3回1人、4回3人、5回2人、6回1人でした。つまり、最もハト派的なメンバーも2017年に最低1-2回の利上げを予想し、中立的なメンバーの一部が2回から3回に変更した、ということです。
FOMCでの利上げ決定を受けて、米国株は下落しました。日本株も大幅に円安ドル高進行したにもかかわらず、トヨタ(7203)に代表される優良輸出関連銘柄の株価は伸び悩んでいます。日経平均やTOPIXも、高寄りから軟調な展開です。「12月14日FOMCでの利上げで材料出付くしだが、ここまで強い流れができてしまうと、流れがすぐに転換する(下落に転じる)ことは考えにくく、少なくとも年内いっぱいは流れが終了するにとどまる(上げ止まり=高値もみ合いが続く)可能性が高い」という見方を維持します。
今年年初と同様、年明けに新興国からの資本流出による景気悪化懸念から、株の下落転換となる可能性が高いと考えます。ドル円は、理屈では説明できないが依然として存在し続ける「株下落でリスクオフだと円買い」という反応で、どこまで株安に引っ張られて円高ドル安進行するか、を見極める必要があります。しかし、トランプ政権の積極財政出動と大型減税が見込まれる中、米国長期金利が今年年初ほど低下することはないと考えられるため、あまり押し目を欲張らないほうがいいと思います。具体的な下値めどとしては、110円(シカゴ筋が円ショートに転じた水準)まではありそうだが、それより下があったとしても105円(トランプ相場の起点)が目いっぱい、というイメージです。