レートチェック?-115円は政府&日銀の防衛ラインか
本日も昨日に続いて、円高株安の流れとなっています。しかし本日11時10分ごろに、ドル円相場で注目に値する動きがありました。114.40円程度から一気に115.15円程度までジャンプアップしたのです。何かニュースがあったのかと探しましたが見当たりませんでした。そこで思い当たったことが、「政府・日銀のレートチェックが入ったのではないか」ということです。
レートチェックとは、政府・日銀が為替介入を行う前提で、各金融機関に為替レートの提示を求めることで、アベノミクス以前の円高進行期にはたびたび行われていた手法です。レートチェックがあると必ず介入が行われる、ということではありませんが、「介入も辞さず」という姿勢を市場にアピールすることによって、急激な為替レート変動に歯止めをかける狙いで行われます。以前から「政府・日銀の最終防衛ラインは115円だ」という報道が多くありましたから、115円を割り込んできたところでレートチェックというアクションを取ってきたとしても、まったく不思議ではありません。また先週(ドルの全面安)と違い、今週は円の全面高ですから、レートチェックも効かなかったら実際に介入してくる可能性もあるでしょう。
また今晩、米国でイエレンFRB議長が議会証言をします。当然、目新しいことは何も言わず、「米国経済は堅調な回復を続けている」「利上げは今後の状況次第。事前に決まっていることは何もない」という趣旨の発言を行うでしょう。以前よりも一層ハト派的な発言を期待して、ドル・ショートのポジションを取っている投資家にとっては「期待はずれ」ということになり、ドル円も反転するきっかけになる可能性があります。
日本株ですが、今回の下落波動のスタートが17,865円でしたので、パターンどおりの15%下落は15,185円となります。その観点からは今回の下落波動の下落余地は、本日の安値から更に400-500円程度ありそうです。しかし、通常は下げ波動の期間が3週間(15営業日)程度なのに対し、今回は今日でまだ8営業日目であることを考えると、目先16,000円台前半までの小反発をはさんで、来週ないしは再来週に15,000円トライ(あるいは割れ)で今回の下落波動が終了する、というシナリオも考えられます。
本日、1月21日の安値16,017円(イブニングの先物は15,780円)を明確に下回ったことで、「昨年8月から下落トレンド入りしている」ということが、またしても確認されました。「押したら買い」ではなく「戻ったら売り」を強く意識しましょう。
追記: 上記のコメントは10日午後1時ごろに書きましたが、その後安値を切り下げ、安値は15,430円(先物は15,410円)までありました。スタートからの下落率は13.6%となり、ひとつの下落波動の大きさの13-17%の範囲に入りました。つまり、今日の安値でひとつの下落波動が終了した可能性が否定できなくなりました。その場合、3分の1戻りが16,230円、半値戻りが16,650円となりますので、「3分の1戻りはあっても半値は戻らない」という下落トレンドの中での戻りが始まるとすれば、16,300-16,500円程度が戻りめどになります。