近く日銀の介入か-ドル円も株も一旦反発へ
日本が祝日の昨日に、ドル円は信じがたい動きとなりました。イエレン議長の議会証言で「最近の金融、経済状況を受けて、利上げペースが鈍化する可能性がある」と発言したことをきっかけに、急激に円高が進み、一時111円割れまでの調整となりました。2014年10月31日の黒田バズーカ第2弾の前に戻り、日銀緩和による円安効果がすべて失われたことになります。米ドルだけでなく、他の主要通貨も入れた通貨バスケットに対しては、黒田バズーカ第2弾のときよりもはるかに円高となっています。
今回の調整は、1月29日の高値121.87円からわずか2週間足らずで110.98円(値幅は10.89円、下落率は8.9%)と、2013年5月から6月にかけて4週間で103.74円から93.79円(値幅は9.95円、下落率は9.6%)への調整に匹敵します。アベノミクス相場が始まって以来、2013年5月6月の調整の他に、これに匹敵する調整はありませんでした。しかも、今回は日銀がマイナス金利導入を発表して高値をつけた直後に下落が始まり、日銀としては「面目丸つぶれ」状態です。政治サイドからのプレッシャーも激化しているでしょう。
前回のコメントで「レートチェック」に関してご説明しましたが、昨日も日本時間21時20分ごろにレートチェックが行われた形跡が見られました。111.50円程度から一気に113.25円までジャンプアップしたのです。これだけ短期間にこれだけ円が急騰したので、「市場安定化」を目的とする為替介入に対して、国際社会から批判が出ることもないと思われ、2011年以来の為替介入実施も十分現実味を帯びてきたといえるでしょう。「ドラギ・プット」に続く「黒田・プット」です。
日本株も、今回の下落波動がスタートの17,865円から今日の安値14,992円まで16.1%下落、節目である15,000円を瞬間割ったところが安値、となっており、ひとつの下落波動の大きさとしては十分な大きさになりました。これを書いている今日11時以降に安値更新しなければ、戻り波動に入る可能性が高いと思われます。3分の1戻りが15,950円、半値戻りが16,429円ですので、「3分の1は戻っても半値は戻らない」というパターンに当てはめれば、戻りめどは16,000円台前半ということになります。
追記: その後安値更新となり、安値は14,866円となりましたので、スタートからの下落率16.8%、3分の1戻りが15,866円、半値戻りが16,366円となりました。今日で底入れ、目先は戻り波動という基本的な見方に変更はありません。