想定どおりのタイミングで、想定を超える値幅の反発
金曜日に米国で発表された小売売り上げが堅調だったことを受け、世界的に株も為替も反発モードに入ったことを受け、ドル円、日本株ともに本日は大幅反発となりました。特に、日本株の戻りは激しく、金曜日のコメントでご説明した3分の1戻りの15,866円を一気に突破しました。早くも「戻りの最低限のノルマ達成」ということになります。
個別銘柄の値動きを見ると、1月13日や1月22日と同様で、業績の良し悪しやバリュエーションなどファンダメンタルファクターが効いている形跡はなく、単純に直近の株価下落の大きさで今日の反発の大きさが決まっている、といういわゆる短期リターン・リバーサルだけが強烈に効いています。これが意味するところは、本日の主な買い手はカラ売りの買戻し(ショート・カバー)だ、ということです。
1月13日も1月22日もそうだった様に、カラ売りの買戻しはポジションの解消(=リスクの解消)ですから、一気にそのエネルギーは放出されます。それがゆえに、値幅は大きくなるが短命に終わるのです。今日の動きからもまったく同様のことが言えます。このような動きが起こるということは、大きなトレンドは下落だという強い証拠です。先週金曜日に、うまく反発を取りにいくポジションを取れた方は、腹8分どころか、腹6分と思えるところで利食うべきです。往々にして腹6分と思っていた水準が、結果としては腹9分だった、ということになりますので。半値戻り(16,366円)の達成には、わかりやすい強気材料が必要で、ニュースフローが何もない中では半値は戻らないと思います。(前回は日銀の追加緩和というニュースフローで3分の2戻り寸前まで戻りました。)
最初の下げ波動が始まってきてからを振り返ると、昨年8、9月の下落第1波動、10、11月の戻り第1波動、その後年内のしばらくの揉み合いを経て、年明けからの下落第2波動、1月下旬の戻り第2波動、今月初からの下落第3波動、そして今日の戻り第3波動(今日が戻り高値ではないかもしれませんが)と、上げ下げの周期は加速度的に短期化してきています。さすがにこれ以上周期の短期化が加速するとは思えず、また企業業績発表も終わり、次の注目は3月半ばに集中している日米欧の中央銀行の対応です。目先は、日経平均は500円は場のボックス相場になる可能性が高い、と考えます。15,750-16,250円かあるいは今日がオーバーシュートで15,500-16,000円というイメージです。
ドル円は今日は日本株の急上昇についていけない格好で、いまだ114円を超えられるかどうかという水準ですが、日本株が想定どおり揉み合いに入れば、時間の問題で115円台は回復すると思います。ただ、多くの輸出企業の会社予想前提レートが118-120円に集中しており、最近の激しい市場変動を受けて前提レート近辺では年度末に向けて輸出企業の為替ヘッジ(ドル売り円買い)が入る可能性が高く、しばらくは118-120円を越えて円安が進むにはエネルギーが要りそうです。