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2016年2月16日のマーケット・コメント

今日も買い手はショートカバー

 

ドラギECB総裁の「追加緩和予告」による欧州株上昇を受けて(米国株は休場)、日本株は続伸の動きになっています。昨日のコメントで、

「個別銘柄の値動きを見ると、1月13日や1月22日と同様で、業績の良し悪しやバリュエーションなどファンダメンタルファクターが効いている形跡はなく、単純に直近の株価下落の大きさで今日の反発の大きさが決まっている、といういわゆる短期リターン・リバーサルだけが強烈に効いています。これが意味するところは、本日の主な買い手はカラ売りの買戻し(ショート・カバー)だ、ということです。」

とご説明しました。昨日は市場が全面大幅高だったので、その動きが目立ちませんでしたが、今日は市場全体としてはそれほどの上昇ではないため、買い手がショートカバー主体だということが鮮明に浮かび上がっています。

 

大幅上昇している大型株を見るとそれがわかります。大型自社株買いという材料がはっきりあるソフトバンク(9984)を除くと、時価総額1000億円以上の銘柄では、IHI(7013)12.3%高、東芝(6502)10.0%高、SUMCO(3436)9.6%高、DMG森精機(6141)8.1%高、日本航空電子(6807)7.8%高、川崎重工(7012)7.5%高など、先日の業績発表の内容が悪く、最近株価が大幅に売られた銘柄群が並んでいます。すなわち、最近、保有していた投資家は売却し、カラ売りが多く入ったと思われる銘柄群です。これらの銘柄が今日大幅に買われる材料は何もないことから、これら銘柄の買い手はショートカバーだと断定できます。

 

株に限らず、人はリスクを取るときは慌てる事はなく、慌てる時はリスクを解消する時です。ショートカバーとは、カラ売りというリスクを取っている状態からの、リスクの解消です。昨日今日の値動きを考えても、そもそもカラ売りをする投資家はヘッジファンドなど短期投資家であることなどを考えても、ショートカバー主導の反発は短期間で一気に終了するものです。次の下落波動が始まるまで、しばらくは15,750-16,250円ないしは15,500-16,000円のもみ合い、という見方に変更ありません。