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2016年2月26日のマーケット・コメント

日経平均の戻りめど

 

米国株の上昇と為替の円安進行を受けて、本日日本株は上昇しています。2月12日のコメントで、「3分の1戻りが15,866円、2分の1戻りが16,366円で、戻りめどは2分の1戻り手前」とご説明しました。これは、「下落相場の戻りは3分の1は戻るが2分の1は戻らない」という過去のパターンが根拠になっています。本日、一時的に16,366円を越え、16,473円まで達しましたが、13時19分現在は16,366円を若干下回る水準での推移となっています。このまま引ければ、日足のヒゲだけが半値を超えた、すなわち瞬間のオーバーシュートだった、ということになり、過去のパターンからは外れません。

 

ただ、下落相場の戻りの別のパターンとして「はっきりとしたイベントがあった場合、3分の2近辺まで戻りが伸びる」ということがあります。たとえば最近でも1月29日の日銀のマイナス金利導入という「はっきりとしたイベント」を受けて、3分の2近くまで戻りが伸びました。今回で言うと、3分の2戻りは16,865円です。

 

今回「はっきりとしたイベント」になる可能性があるのは、やはり3月半ばに相次ぐ欧日米の中央銀行の政策決定会合でしょう。(3月10日ECB、3月15日日銀、3月16日FRB)今週末にG20がありますが、参加各国の利益相反状態が激しく(何かしようとすると参加者のうち得する国と損する国が同時発生する状態)、総論の議論に留まる可能性が高く市場インパクトはない、と見ます。

 

あるいは、昨日米国の耐久財受注が予想より強かった流れで、3月4日の雇用統計も予想よりも強ければ、一気に3月16日の利上げ観測が浮上し、「米国利上げ」というはっきりとしたイベントを事前に織り込んでいく、という展開も考えられます。いずれにせよ、もし日経平均が3分の2戻りの16,865円近辺まで戻るとすれば、そのときドル円は少なくとも115円は回復していると思います。

 

雇用統計発表のある3月4日日本時間22時30分までは、これまでのボックスが続く可能性が高く、現時点(=ボックスの上限近く)を起点にすれば日本株は目先は下落する可能性が高いと見ます。