早くも新たな下げ波動始まる
昨日のコメントで、
「値幅での戻りは達成。次の動きは新たな下げ波動の始まりだが、しばらくもみ合ってからになるかもしれない」
と書いたばっかりですが、早くも今日から新たな下げ波動が始まったと思います。昨日から予兆はありました。昨日は指数(日経平均やTOPIX)は小動きでしたが、景気敏感業種全般が明確に下落し、内需・ディフェンシブ業種が明確に買われていました。これは明らかに、フル・インベストメントを義務付けられている(現金比率を高めるという選択肢がない)ファンド・マネージャーが、景気敏感業種が牽引する相場全体の下落に備えた資金シフトが背景です。
本日は、業種間の格差よりも、小型よりも大型株、それも主力優良銘柄全般が大きく下落しています。以前からご説明していますが、この背景はアセット・アロケーター(資産配分の責任者)が株式の保有比率の削減を決め、各国株式のファンド・マネージャーが保有銘柄すべてを一定の割合で売却していることです。年明け以降、年金やSWFなどの中長期投資家が保有銘柄すべてを輪切りで売っている動きが観測されていますが、今日も典型的です。この動きはそう簡単には終わりません。
今後のイベントですが、3月10日のECB会合まで、主要中央銀行の政策変更の機会はありません。(次回の日銀決定会合は3月15日、次回のFOMCは3月16日)
1.日本企業の10-12月期業績発表はまだ道半ばであり、今日以降も業績懸念は高まっていくこと。
2.原油市場の唯一の上場原動力であるショート・カバー(カラ売りの買戻し)は完全に一巡したと思われ、再び下落基調をたどる可能性が高いこと。
3.2月5日の米国雇用統計は、強ければ利上げ可能性の高まり、弱ければ米国景気にも悪影響が顕在化、と捉えられ、どちらにせよ株売りにつながる可能性が高いこと。
などを考えると、今月も先月同様にスタートから15%程度下落の新たな下落波動となると思われます。昨日もご説明しましたが、安値めどは日経平均で15,000円程度です。
ドル円ですが、今日のところは相変わらず「大きな株安の初動」に引っ張られて、円高ドル安進行していますが、マイナス金利が導入された以上、円高ドル安が続く理由は以前にも増して何一つなく、株下落が少し落ち着けば(反発しなくとも、小幅下落程度になれば)、120円台回復は時間の問題だと思います。