日本株は絶好の売り場&GPIF運用状況
昨日米国市場での米国株大幅上昇と円安ドル高進行を受けて、本日日本株は大幅上昇しています。しかし今年何度かあった大幅上昇の日と同様、今日も強烈なリターン・リバーサル相場であり、カラ売りの買戻しが主な買い手である事が伺えます。買い戻し主導の大幅上昇は、大きな意味で下落相場だからこそ現れるもので、1日の上昇幅は思いがけず出るが、持続期間はきわめて短いのが特徴です。今日3分の2戻りの16,865円に迫っており、戻りの水準としては十分でしょう。ドル円も原油も上値が重い展開です。日本株は絶好の売り場といえるでしょう。
昨日、GPIFの12月末の運用状況が発表されました。12月末の実績値と10-12月の市場変動から推計すると、GPIFは10-12月期に日本株を約9,700億円、外国債券を約6,600億円、外国株式を約1兆2,500億円買い増しています。主体別売買動向を見ると、10-12月期の信託銀行は5,922億円の買い越しでしたので、GPIF以外の年金は約3,800億円の売り越しだった事になります。
GPIFの年明け以降の売買動向を類推します。日本株比率を25%にするための買い余力は、12月末時点では約2.3兆円でしたが、12月末から昨日までの市場変動を考慮すると、昨日時点で約6.0兆円に増加している計算になります。主体別売買動向を見ると、信託銀行は1月は6,076億円、2月は19日までで5,000億円の買い越しです。これらのことから、GPIFは1月以降も月に5,000億円-1兆円のペースで日本株を買い増している可能性が高いといえます。「クジラの買い」はもはや市場の下支えになっていない、ということです。
更に、主体別売買動向を週ごとに見ると、興味深いことがわかります。今年に入ってから信託銀行が大きく解雇した週は、1月25日の週と2月15日の週でした。共通点は、「直近に安値をつけてからの反発局面」ということです。つまり、GPIFは買い下がる買い方ではなく、安値を確認してから買い上がる買い方をしているのではないか、ということです。運用担当者の立場で考えれば至極真っ当なやり方ですが、それは市場が期待しているような「下落のブレーキ役」にはならないやり方だ、ということです。