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2016年3月30日のマーケット・コメント

イエレン議長議会証言

 

昨日米国でイエレンFRB語調の議会証言が行なわれましたが、3月16日FOMCの時の発言とまったく変化の無い内容でした。すなわち、「世界経済」「原油価格」「中国」に依然リスクが残っており、慎重な政策変更姿勢は正当化される、というものでした。先週から相次いだ各地区連銀総裁のタカ波的な発言を一方的に市場に織り込ませず、利上げの織り込みのスピード調整を図ったのではないか、と考えられます。

 

市場の反応は、ドルは反落し、ドル円は122円台半ばまでの調整となっています。米国株は発言を受けて上昇、発言を警戒して下落していた原油価格も反転の動きになり、まさにイエレン議長のスピード調整の意図通り、となりました。

 

一方で、昨日はダラス連銀のカプラン総裁が、過度な金融緩和状態をあまり長期間継続すべきではない、と発言しています。現状程度の市場環境が続けば、今後も折に触れ、地区連銀総裁の利上げに前向きな発言が行なわれると思われます。FRB議長であるイエレン氏が「事前リーク」のような発言を行なうことは今後も難しいことを踏まえると、まだ発言を行なっていないFRB要人の中ではニューヨーク連銀のダドリー総裁とフィッシャー副議長でしょう。議長、副議長のほかにFRBにはFOMC投票権を持つ3人(ブレイナード、パウエル、タルーロ)の理事がいますが、イエレン議長同様、事前リーク発言はしにくい立場だろうと思われます。

 

4月は、日本で企業業績発表が始まるのが4月最終週、4月27日FOMC、4月28日日銀決定会合ということを考えると、ドル円も日本株も上にも下にも抜けないボックス圏の展開が続く可能性が高そうです。日経平均は16,000円台前半-17,000円台前半(16,000円は割らない&17,500円は越えない、というイメージ)、ドル円は上限は115円だと思いますが、下限は直近安値の111円割れまでは行かず、じりじりと下値を切りあげていくイメージです。(111円台までの下落はあり得るでしょう。)

 

日米の政策会合が終わり、日本で業績発表が進んでいく中、日本株は5月には今年3回目となるスタートから15%内外の下落波動が始まる可能性が高いと考えています。