日本株は上げ止まりの公算大。今後の対応は?
日本株は今日も続伸し、日経平均は一時17,000円を上回りました。17,000円という水準は、下落中に一時的に戻った2月8日引け値の17,004円、1月最終週に日銀決定会合に向けて揉みあった水準、更にさかのぼれば昨年の9月29日の16,931円と、節目になっている水準です。
また、東証が毎日発表しているカラ売り集計を見ると、ヘッジファンドなど大口投資家の「価格規制あり」のカラ売り比率は、2月29日37.5%、3月1日36.1%、3月2日31.1%、3月3日31.7%と、3月2日、3日に急低下しています。(HFTなど高速回転売買の分が推計25-30%を占めていて、その水準以下まで低下したことはこれまでありません。)新規のカラ売りが減少し、買戻しが進んだ、ということが伺え、この点からも本日高値の17,000円近辺が上値抵抗になりそうです。(カラ売り比率は相場天井圏で低下し、底値圏で上昇する指標です。)
ただし、必ずしも「上げ止まった」=「すぐに下落が始まる」ということではありません。2月初めのように、上げ止まってからすぐに下落が始まることもあれば、昨年11月から12月のように上げ止まってから、次の下落が始まるまでしばらくもみ合う、という展開もあり得ます。
したがって今回で言えば、また一気に16,000円割れまで下落する展開と、16,500-17,000円程度でしばらくもみ合った後に次の下落波動が始まるという展開の、両睨みで臨む必要があります。今月は業績発表の時期ではなく、また期末が迫るという時期であるため業績修正もあまり出ない傾向にあります。また3月半ばには欧日米の中央銀行政策決定会合が控えています。これらのことを踏まえると、すぐに急落というよりは少なくとも3月前半はもみ合いになる可能性が高いのではないか、と考えます。そうは言っても、実際に急落したら頭を切り替え、順張りで売っていく必要があります。ちなみに、先頭バッターのECBがまたしても期待はずれに終わり、市場が急落するようだと日銀が動く可能性は高まりますが、現状の市場環境が続くようなら日銀は3月15日は動きなし、をメインシナリオとします。
具体的には、17,000円近辺で売り16,500円台で買い戻し、というトレードが何回できるか、16,500円台で買い戻した後に明確に16,500円を割り込んで下がるようであれば売り直す、というイメージです。その際これまで何度かご説明したように、必ず売りから入る、買いから入って戻りを取りにいかない、ということが最も重要です。