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2016年3月7日のマーケット・コメント

今週はもみ合い、そしてECBにはまたしても失望の展開か

 

先週金曜日に発表された米国雇用統計は、非農業者部門雇用者数変化は予想よりも強かったものの、前回0.5%増加と強かった平均時給は予想外の0.1%減少となり、強弱入り混じり市場は消化不良となりました。また週末の中国全人代の内容も、想定の範囲内となり、市場インパクトにはつながりませんでした。やはり3月10日のECB会合までは、材料不足の中、日経平均は16,000円台後半から17,000円少し上、ドル円は113円台を中心としたもみ合いになりそうです。

 

3月10日に予想されるECBの追加緩和策の内容ですが、国債買取額の拡大は非常に可能性が低いと思います。ECBの国債買い入れについては、独連銀は一貫して反対姿勢であり、ドイツ憲法裁でその合憲性が争われたこともありました。少なくとも現段階での買い入れ額拡大に対しては、ドイツの賛同を得ることはきわめて困難だと思います。

 

もっとも安易な内容は、-0.3%の付与金利のマイナス幅を更に拡大することでしょう。更に考えられるのは、将来の欧州銀行危機に備え、ECBが緊急時にユーロ加盟国の欧州各銀行に対して行なう救済融資制度の設定です。しかしいずれも市場の期待にこたえる内容とは考えられず、3月10日に打ち出される追加策には市場は失望する可能性が高そうだ、といえます。

 

もし市場が失望し、11日、14日に日本を含み世界的に株価が大幅下落となれば、3月15日に日銀が動く可能性が高まるでしょう。イメージとしては日経平均が16,000円以上なら日銀は動かない可能性が高く、15,000円台以下なら動く可能性が高い、と考えます。