買い戻し相場は終わり業績動向に沿った株価動向に移行
昨日から本格的に業績発表が始まりました。昨日発表の銘柄の株価動向を見ると、堅調な業績を発表した日本電産(6594)や日立化成(4217)は株価上昇、予想よりも悪い内容だった日立国際(6756)は大幅下落という株価反応になっています。また、前期実績の下方修正を発表した三菱重工(7011)やIHI(7013)は小幅下落で、やはり前期実績よりも今期会社見通しを市場が重視していることがわかります。今日発表の銘柄はまだ少ないですが、27日以降は多数の銘柄が業績発表を予定しており、業績発表内容に沿った株価動向が強まっていくでしょう。
一方、指数は27日(日本時間28日早朝)発表のFOMC、28日昼過ぎ発表の日銀決定会合までは、これ以上何かを織り込むことはないと思われ、上値も下値も限定的な動きに留まるでしょう。しかし、FOMCでは次回会合(6月15日)での利上げが示唆され、ドルが全通貨に対して緩やかに切り返していく可能性はあるものの、その場合、米国株は調整基調になると思われます。日銀決定会合では、「ETF買い入れ額の3兆円から5兆円以上への増額」と「銀行への貸出金利にマイナス金利適用」は市場に完全に織り込まれたため、その通りのないようなら出尽くし、もし何も変更がなかったらネガティブ・サプライズ、となりますので、28日後場から調整局面入りする可能性が高い、と考えます。
多数銘柄の業績発表が行なわれるのは、28日引け以降であること、日本ではゴールデン・ウィーク入りすることなどを考えると、28日は弱く引け、5月は明確な下落波動となることを想定しています。予想以上に市場が戻ったことから、下落のスタートをどこに取るか次第ですが、日中の高値17,614円(4月25日寄り)をスタートと考えれば、下値めどとなる15%下落は14,972円となり、2月安値(14,866円)と同水準になります。大きな意味で下落トレンドという見方が正しければ、次回の安値は前回の安値を下回るはずなので、17%下落の14,620円近辺を次の安値めどと考えます。