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2016年4月28日のマーケット・コメント

FOMCと日銀決定会合終了で、後は企業業績に焦点

 

昨日のFOMCは、これまでとほぼまったく変更がない声明でした。唯一の注目点は、前回の「世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」という表現が削除され、「動向を注視していく」と変更されたことでした。前回会合時に比べ、米国株、原油ともにかなりの価格上昇していることを考えれば、その表現変更は当然と言えます。

 

また本日、日銀決定会合がありましたが、事前の「リーク記事」に反して、政策変更なしという結果でした。それを受けて、ドル円、日本株ともに急落しています。証券業界であまりにも「ETF買い入れ額増額」という予想が広がっていて、「この株価水準では政策変更なし」という私の予想に疑念を持たざるを得ない状況でしたが、日銀の情報管理体制に対する懸念を含め、政策変更なしという結果に安堵しています。

 

日米中央銀行の政策決定会合という大きなイベントが終了し、後は企業業績に市場は注目せざるを得ないでしょう。いわゆる景気敏感業種で、昨日までに業績発表を終えた企業の今期見通しの多くは、20-30%の減益となっています。想定どおり、主な背景は中国をはじめとする新興国の経済不振が、今期は深刻化する見込みということです。特に、設備投資関連のフラッグシップ銘柄であるファナック(6954)の今期見通しは、コンセンサスを大幅に下回る、19%減収46%営業減益でした。

 

外人投資家は1-3月に5兆円以上売りこしましたが、2013年に15兆円以上買い越したことを考えれば、まだまだ売り圧力は強いでしょう。ここ数週間の株価反発、さらに今回の日銀決定会合と今後も続く業績発表を受けて、中長期外人投資家はゴールデン・ウィーク明けから再び本格的に日本株を売ってくる可能性が高いと思います。

 

5月の下落波動の下値めどですが、前回のコメントで以下書いたとおりです。

「日中の高値17,614円(4月25日寄り)をスタートと考えれば、下値めどとなる15%下落は14,972円となり、2月安値(14,866円)と同水準になります。大きな意味で下落トレンドという見方が正しければ、次回の安値は前回の安値を下回るはずなので、17%下落の14,620円近辺を次の安値めどと考えます。」