いつまで続くか、漂い相場-その先は下抜け
ゴールデンウィーク明けから、日本株は薄商いの中、狭いレンジでの推移が続いています。日経平均で言うと、16,500円割れ-16,800円越え、というレンジです。この動きは、まさに中長期投資家が売り買いせず、もっぱら短期投資家、それもデイトレード中心の超が付く短期投資家しか動いていないことを現しています。
この動きが変わるときには、当然なんらかの「きっかけ」が必要ですが、大きなひとつのニュースフローがきっかけになる場合と、ひとつひとつはそれほど大きくないニュースフローが複数シンクロすることがきっかけになる場合があります。今回の場合、大きなニュースフローの候補は、予定されているイベントからは、サミット、6月3日の米国雇用統計、6月15日のFOMC、6月16日の日銀決定会合が挙げられます。
サミットが大きなニュースフローになることは考えにくいため、最も早い場合、雇用統計で強い数値が発表され、6月15日FOMCでの利上げ決定を織り込んで、米国株安、原油安、ドル高という新たな動きができる、ということが想定されます。その場合、他通貨に対して、特に新興国通貨に対してはドル高進行となっても、ドル円は初動では株下落を優先して円高ドル安となる可能性も十分考えられると思います。もうひとつの複数のニュースフローのシンクロですが、その複数のうちの一つは原油価格の明確なピークアウトだと思います。あとは米国株や中国株の下落、米国や中国の主要経済統計などが候補として考えられます。
いずれにせよ、次の大きな動きは下抜けだと思います。中長期投資家は、すでに株の配分比率の削減へと大きく舵を切りました。これは朝令暮改はできません。だとすると、今は活動せず様子見を続けていますが、次の行動は「一旦減らした株を買いなおす」はあり得ず、「再び売り始める」しか考えられないからです。
投資行動としては、1.レンジの上限近く(例えば日経平均16,700円台)でカラ売りポジションを作って下抜けを待つ、2.レンジを明確に下抜けする新たな動きが出てから(例えば16,300円台とかで)カラ売りポジションを作る、3.レンジの中をトレーディングする、のどれでもいいでしょう。ただし3.の場合、下への新たな動きが出たときには決して買い下がるのではなく、2.の行動に切り替える(トレーディングの買いポジションは損切って、ドテンしてカラ売りポジションを作る)ことが重要です。