FOMCと日銀決定会合
昨日、米国でFOMC声明が発表されました。事前予想通り、今回会合での利上げは見送られました。声明の内容はこれまでと同様ですが、FOMCメンバーが今年何度の利上げを予想しているかを示す、いわゆるドット・チャートで、年内1回と予想するメンバーが3月時点では1人だったのに対して、今回は6人に増えたことから、利上げに対してより慎重な姿勢に変わった、と市場では捕らえられ、ドル下落の反応となりました。2回を予想するのは前回と同様に9人、3回の予想は3人から1人に、4回の予想は4人から1人に減りました。
次回の7月27日に利上げが決められる可能性はゼロではないですが、「イギリスがEUに残留し」「今後発表される米国経済統計がすべて好調で」「世界的に市場が混乱していない」ことが条件ですので、ハードルはかなり高いと言えます。FRBはなんとか好機を捉えて利上げを行ないたいと考えているのは確実ですが、結局条件がそろわず年内1回も利上げできないで終わる可能性もあります。
また本日、日銀決定会合がありましたが、予想通り政策変更なし、でした。FOMCと日銀決定会合を受けて、大幅な円高株安となっています。来週にBrexit投票が控えていることもあり、株式市場は下落基調をたどるか、もしくは安値圏でのもみ合いとなる可能性が高いでしょう。日米ともに中央銀行の政策変更がなく、ドル円に主体性を与えることができなかったため、引き続きドル円は上にも下にも株に引っぱられる展開が続くでしょう。
6月13日付のコメントでご説明しましたが、日本株は完全に下抜けです。日経平均の安値めどは、13,970-14,643円です。イギリスのEU離脱が決まったら、今月中にもその水準に達してもおかしくありません。
株安が進行すると、どこかで日銀は追加緩和に動かざるを得なくなります。最も早ければ、次回の7月29日会合です。日銀が「量の拡大」に動いたところから、円が主体性を持ち下落トレンドが始まると考えています。ドル円投資は日銀が動くまではお休みで、日銀が動いた瞬間に全力投資だと思います。