昨日今日の下落は新たな下落波動の始まりではない
5月はゴールデンウィーク明けから先週まで、日経平均16,500円割れ-16,800円越えのレンジでのボックス相場が続いていました。その間、売買代金は低水準が続いており、中長期投資家がまったく動いていない中、先物・オプションを中心に売買する超短期投資家しか動いていない状況だ、ということはすでにご説明したとおりです。主体別売買動向を見ても、外人投資家は5月第2週に568億円の買い越し、第3週にはわずか22億円の買い越し(第4週の数値は本日引け後に発表)と、動いていないことを裏付けています。
今週になって、月曜日火曜日と明らかにレンジを上抜けてきましたが、引き続き売買代金、特に現物株の売買代金は低水準であり、持続性にはかなり疑問がありました。その後、昨日今日で一気に下落し、レンジの中に戻り、更にはレンジの下値を試す水準まで調整しました。やはり上抜けさせたことには無理があったということでしょう。
5月31日の引け17,235円から見ると、13時30分現在16,530円ですから2日で700円下落とかなり強烈な下げになっているわけですが、1月初めや2月初めのような、大きな下落波動の始まりだとは思えません。その理由は、1.現物株の売買代金が低水準であること、2.日本株だけが大きく動いていること、です。大きな下落波動が起こるときは、必ず中長期投資家が現物株を売るとき、です。そのときは上記の1.2.が必ず起こります。売買代金が増加し、日本株だけではなく主要株式市場が同時下落する、ということです。
昨日今日の下落は、無理やり一旦レンジの上に行ったものの、やはり無理があり元のレンジに戻った、と見るべきでしょう。そして上記の1.2.の状況で値幅を伴って下落した場合には、頭を切り替えて大きな下落波動の到来に備えましょう。