閑散レンジ相場は6月23日まで継続か
先週末の予想を大幅に下回る米国雇用統計の発表を受けて、昨日は16,500円割れ-16,800円越え、というレンジを一時下回りましたが、昨日後場には早くもレンジ内に戻り、今日もレンジ内での推移となっています。昨日今日は先物こそ、そこそこ出来高はありましたが、現物株は閑散状態が続いており、中長期投資家は様子見継続であることを示唆しています。
昨日のイエレンFRB議長の講演を受け、6月15日FOMCでの利上げ可能性は完全になくなりました。また、この状況が続けば、6月16日日銀決定会合でも政策変更の可能性はゼロでしょう。日本での財政出動は秋となり、安倍政権による政策発動の可能性もなくなりました。今月は企業業績発表などのスケジュールされたニュースフローもなく、6月23日のイギリスでのEU離脱国民投票までは、市場変動要因が見当たりません。
中長期投資家は、定期的に運用状況を顧客に説明する必要(説明責任)があることから、短期投資家のように事前に何かを織り込んで動く、ということはしません。「イギリスがEU離脱決定」となったら、それを受けて株式から債券への資金シフトを再び始めるのでしょうし、そうならない場合は、次の大義名分(新たな行動を取る理由)が現れるまで様子見継続でしょう。
退屈な状態が続く、ということですが、レンジがはっきりしているので、その間をトレーディングで売り買いすることは難しくないでしょう。もちろん、レンジをどちらかに明確に抜けたなら、トレーディング・ポジションは躊躇なく投げなければいけない、ということは言うまでもないですが。