2016年 7月 11日 (月) |
大幅反発だが持続力は感じられない-売り場と捉えるべき
先週金曜日の米国雇用統計が、予想を大幅に上回ったことを受けて、米国株が大幅反発、欧州株もそれを受けて大幅反発したことを受けて、本日の日本株は大幅反発となっています。しかし、現物株の売買代金は低調なままであり、広範囲にショート・カバーが入っているに過ぎないことが伺えます。中長期資金が買いを入れている兆候はまったくありません。
冷静に考えれば、雇用統計が予想よりも強かったことだけで、ここ最近の懸念が解決されるものではありません。ここ最近の懸念とは、1.Brexitに伴う欧州景気減速懸念と先行きの大きな不透明感、2.イタリアの銀行の資本不足問題、3.中国元安進行懸念、などが挙げられます。また、今年の日本株下落の根本的要因である、4.中国をはじめとする新興国経済成長減速、および、5.想定をはるかに超える円高進行、による業績下振れ懸念もまったく変化ありません。
強い雇用統計を受けても7月27日FOMCで利上げが決定される可能性はほとんどないことに変わりはなく、ドル円がまったく円安ドル高となっていないことがそれを表しています。本日の大幅反発は、下落相場の途中で起こる「ショート・カバー主導の、値幅は出るものの持続力のない大幅反発」だと判断され、相場の流れが変わったと考えるのではなく、むしろ絶好の売り場到来と考えるべきだと思います。