個別銘柄の値動きは業績動向に回帰が始まった
先週前半は、問答無用の買い戻し相場で、業績懸念があるからこそ大きく株価が下落した銘柄ほど株価上昇する、という展開でした。しかし今週になって、買戻しの動きは完全に終わり、今日の個別銘柄の動きを見ると、業績動向に添った形に戻っています。
具体的にご説明します。まず、各業種の株価動向を見ると、パフォーマンスのいい業種は、建設、陸運、情報・通信、食料品、医薬品、サービスと、業績懸念が低い業種が並び、パフォーマンスの悪い業種は、鉄鋼、証券、鉱業、銀行、海運と、業績懸念が高い業種が並んでいます。
上述業種以外で、売買代金上位の個別銘柄を見ても、業績懸念が低い(と今のところ見られている)、東京エレクトロン(8035)、キーエンス(6861)、日本電産(6594)、SCREEN(7735)などが株価上昇しているのに対し、業績懸念が高い、キャノン(7751)、コマツ(6301)、住友金属鉱山(5713)、アルプス電気(6770)などは指数を超える株価下落となっています。
今週から米国では4-6月期業績発表が本格化していますが、日本では来週からです。本日の動きは、業績発表を受けた株価動向の先取りをゆっくりと始めた動きといえるでしょう。しかし、7月29日の日銀決定会合での追加緩和決定の期待感がなくならないうち(7月29日に日銀に動きなしと判明するまで)は、市場全体が大きく下落することはないでしょう。
今週は薄商いのなか小動き、来週は業績発表を受けて個別銘柄では大きく動く銘柄が出るものの、指数は小幅下落に留まり、7月29日に「日銀動きなし」を受けて市場全体の大幅下落が始まり、8月はその流れを引き継いで日経平均14,000円程度まで下落、という見方を維持します。