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2016年8月25日のマーケット・コメント

日銀ETF買い入れ出動基準を探る(4)-基準下落率は複合計算か

 

本日の前場引けは、日経平均が前日比0.25%の下落、TOPIXは0.32%の下落でした。昨日の推察の、

「1.前場引け時点で」「2.日経平均、TOPIXともに」「3.前日比0.25%以上下落」で、「4.日銀は後場にETF買い入れ出動」が基準

が正しければ、後場買い入れ出動するはずでした。本日の発表を見るまでは確定しませんが、後場の動きを見る限り、本日も買い入れは見送られた可能性が高いでしょう。

 

8月4日(買い入れ出動):日経平均 0.39%、TOPIX 0.25%

8月10日(買い入れ出動):日経平均 0.29%、TOPIX 0.41%

8月23日(出動せず):日経平均 0.22%、TOPIX 0.27%

8月25日(出動せず):日経平均 0.25%、TOPIX 0.32%

 

この動きに整合性を持たせるためには、単純に2つの指数の下落率だけではなく、別の条件があると考えなければなりません。可能性の一つとして考えられるのは、「2つの指数の下落率の和」が基準に入っていることです。上記4日の行動に基づくと、「2つの指数の下落率の和が0.6%以上」という条件が加われば整合性が取れます。

 

つまり、

「1.前場引け時点で」「2.日経平均、TOPIXともに」「3.前日比0.25%以上下落かつ下落率の和が0.6%以上」で、「4.日銀は後場にETF買い入れ出動」が基準

だと考えられます。更に検証と考察を継続します。

 

最近この話題ばかりじゃないか、とお叱りを受けそうですが、最近の薄商いの中での後場だけで707億円の買い、の市場インパクトはそれなりに大きいでしょう。「出動した」「出動していない」という噂が流れるなら、なおさらです。基準を見極められれば、前場引け時点で基準を満たしていたら直後に先物・オプションに買いを入れ、後場日銀の買い入れ(およびその噂による投資行動)で押し上げられたところを売る、という日計り取引がかなりの精度でできそうなのです。