昨日の「日銀買い入れ出動」で判明した2つのこと
昨日後場の動きから、日銀は買い入れを見送った可能性が高い、と思いましたが、夕方の発表で実際は707億円の買い入れを行っていたことがわかりました。この事実から2つのことが判明しました。
1.買い入れ出動基準
8月4日(買い入れ出動):日経平均 0.39%、TOPIX 0.25%
8月10日(買い入れ出動):日経平均 0.29%、TOPIX 0.41%
8月23日(出動せず):日経平均 0.22%、TOPIX 0.27%
8月25日(買い入れ出動):日経平均 0.25%、TOPIX 0.32%
でしたので、基準は一昨日にご説明した、
「1.前場引け時点で」「2.日経平均、TOPIXともに」「3.前日比0.25%以上下落」で、「4.日銀は後場にETF買い入れ出動」が基準
で、どうやら間違いなさそうです。今後も検証を続けます。
2.日銀買い入れによる「実需ベース」の市場インパクト
私も含めて、昨日後場に日銀が買い入れを行っていると感じた方は、皆無に等しかったと思います。すなわち日銀買い入れに乗ろうという「思わく」による売買はなされていなかったと考えられます。また、昨日後場は為替、債券、海外市場など、日本株にとっての外部環境は穏やかな推移でした。誰も買い入れを行っていると感じなかった昨日の後場ですが、実際は707億円の買い入れを行っていた、ということでしたので、「実需ベース」の市場インパクトが浮き彫りになったと言えます。
前場引け時点で、日経平均は前日比0.25%の下落、TOPIXは前日比0.32%の下落でした。日銀が後場707億円買い入れた結果の大引けでは、日経平均が前日比0.25%の下落、TOPIXが前日比0.19%の下落でした。つまり、日経平均で見ると市場インパクトはゼロ、TOPIXで見ると市場インパクトは0.13%でした。日銀ETF買い入れの実需ベースでの市場インパクトは、やはり「まったくゼロではないが、はっきり感じられる規模ではない」ということです。
本日は前場引けで、日経平均は前日比0.65%下落、TOPIXは前日比0.7%下落ですので、全員が「後場に日銀の買い入れが入る」と考えているでしょう。今日の後場は、「思わく」がどのような市場インパクトに繋がるのか、注目です。