日銀ETF買い入れ新方式は頻度を増加か
7月29日の日銀決定会合でETF買い入れ増額が決められ、今後どのような買い方をするのかが注目でした。買い入れ増額は8月2日に認可されたため、8月2日の買い入れ額はこれまでと同水準の347億円でした。認可後の昨日に日銀がどのくらい買い入れたかが注目点でしたが、結果はこれまでと同水準の347億円でした。
このことから推察されることは、「日銀は1日あたりの買い入れ額を増額するのではなく、買い入れ頻度を上げることで買い入れ額増額を行う」ということです。「市場インパクトを与えないように買う」という法律の条文を重視し、1日あたりの買い入れ額増額を見送った、ということでしょう。
この「1日当たりの買い入れ額増額が見送られた」ということと、「8月2,3日連日買い入れを行ったが、日経平均は2日は1.5%下落、3日は1.9%下落となった」ということで、日銀ETF買い入れに対する市場の期待は一気に萎えたのではないでしょうか。前回コメントの、
「短期的には市場心理の改善要因であることは事実であり、目先は短期投資家が売り仕掛けをしにくくなると思われ、世界同時株安の動きが再び明確になるまでは、下値サポート要因になると思われます。」
は撤回させていただきます。ETF期待によるゆがみは消え、以前と同じ相場環境に戻った、と判断します。
目先の注目材料は、明日発表の米国雇用統計です。米国株は、5四半期連続減益にもかかわらず、最高値圏で高止まりしており、バリュエーションは誰の目にも割高なため、調整のきっかけを欲しがっているように思えます。雇用統計が強い場合、「9月利上げがあり得る」、雇用統計が弱い場合、「さすがの米国経済にも悪影響が出てきた」と、いずれの場合も悪材料視される可能性を感じます。
米国株が下落すれば、世界的株安に波及し、当然日本株も下落となるでしょう。為替も、少なくとも初動は円高進行でしょう。