日銀ETF買い入れ続報-見方を元に戻します
昨日の後場、日銀がこれまでより増額してETFを買っている、といううわさが流れ、市場全体が堅調な展開となりましたが、日銀の発表を見ると、実際に昨日707億円のETFを買い入れていました。昨日のコメントで、「買い入れ増額認可後の8月3日にも、買い入れ額は以前と同額の347億円だったため、買い入れ増額は買い入れ頻度の増加で対応する」とご説明しましたが、それは間違いだったことになります。
また、買い入れ出動の基準が明らかになりました。「下落している日に買う」というのは間違いではなかったですが、もっと詳しく言うと「前場引け時点で前日比マイナスの日の後場に買い入れを行う」ということのようです。昨日は後場すぐにプラスに転じましたが、確かに前場引けは0.2%ほどマイナスでしたので、この見方で間違いないようです。
昨日の日銀の買い入れと後場の市場動向で、今後しばらくは「前場引けがマイナス(特に小幅マイナス)の日は、後場に日銀が買い入れ出動して市場をサポートする」というセンチメント(心理)が働くことが想定されます。朝令暮改で大変申し訳ないですが、
「短期的には市場心理の改善要因であることは事実であり、目先は短期投資家が売り仕掛けをしにくくなると思われ、世界同時株安の動きが再び明確になるまでは、下値サポート要因になると思われます。」
という見方に戻します。
もう1点。昨日は強烈なリターン・リバーサル相場(業績動向とは関係なく、年初来で株価下落している銘柄が買われ、株価高止まりしている銘柄が売られる相場)となりました。業種で言うと、「景気敏感業種買い・内需ディフェンシブ業種売り」です。日銀ETF買い入れ期待で、日経平均が堅調な動きを続けている間は、このリターン・リバーサル傾向が続くと思われます。ただし、日経平均が明確に下落を始めたら一気に逆回転が始まる、ということも留意しておく必要があるでしょう。