明日のシナリオ-日銀とFRB
明日9月21日には、日銀決定会合とFOMCが同日開催となります。時差の関係で日銀が先になります。日銀は日本時間の21日正午過ぎ、FOMCは日本時間の22日午前3時です。それぞれの予想される内容と、市場反応は以下の通りです。
日銀;
シナリオ1:超長期国債(25年超)の買い入れをやめ、その分短中期国債の買い入れを増やす。
これは、利回り曲線(イールドカーブ)を立たせ(スティープ化し)、生保や年金などの長期資金の運用機会を確保する目的です。すでに債券市場ではこの政策変更の織り込みが進んでおり、予想する向きも多いです。
シナリオ2:今回は「総括」の発表にとどめ、追加的措置は次回以降に検討、とする。
つまり、何も政策変更なし、です。
私個人的には、シナリオ1の可能性は3分の2、シナリオ2の可能性は3分の1と見ています。マイナス金利の深堀りは見送られる、量の拡大は今回は無い、4次元目の緩和策開始も無い、と見ています。
日本株市場は日銀の追加緩和に対する期待感が、ある程度織り込まれていると思われるため、上記予想が正しければ、日銀の発表を受けて日本株は下落すると思われます。日本株下落である程度の円高進行も予想されます。(ただし、シナリオ1の場合、生保株に対してはポジティブです。)
FOMC;
シナリオ1:今回の利上げは見送るが、年内利上げ決定の意志が一段と強調される。(残る年内のFOMCは11月2日、12月14日)
8月後半から、9月21日利上げに向けて地ならししてきたが、市場の織り込みが十分でなく、サプライズを与えることをイエレン議長が嫌がる、ということです。
シナリオ2:利上げ決定だが、年内の利上げはもう無いと示唆する。
8月後半から地ならししてきた通りに利上げするが、市場のネガティブ・サプライズ反応を抑制するために、年内の追加利上げは無い、と市場に示す、ということです。
私個人的には、どちらも考えられ、確率は半々というところです。
いずれにせよ市場は「利上げ」に対して反応すると思われるため、米国株下落、米国長期債下落、米ドル上昇となると予想されます。その場合、日本株は、円安ドル高進行よりも米国株下落に反応すると思われます。