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2017年1月5日のマーケット・コメント

ボロ株上昇終了が相場全体上昇終了のサイン

 

皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

「相場のサイクル-中期サイクル」でご説明しておりますように、上昇波動の最後には、業績などに大きな問題があるために株価の低迷が続いていた銘柄、いわゆるボロ株が大きく上昇します。これは、優良銘柄の株価の上昇余地がなくなったことを受けて、理由があって株価が出遅れていた銘柄を割り切って買う行動と、カラ売りの買い戻しとが融合して起こる現象です。言い換えれば、その現象が終了したら、相場全体の上昇波動が終了する、ということです。

 

現在の相場で言えば、ボロ株の代表はシャープ(6753)、ジャパンディスプレイ(6740)、タカタ(7312)でしょう。シャープは8月1日の安値87円から現値の312円まで3.6倍上昇、ジャパンディスプレイは8月18日の安値138円から現値の350円まで2.5倍上昇、そしてタカタは11月4日の安値312円から現値の1028円まで3.3倍上昇となっています。

 

その中でも特に注目すべきはタカタです。米国での和解観測を受けて昨年の12月29日から昨日まで3日連続で買い気配で引けた後、本日は高寄りして急落となっています。買い手は間違いなくカラ売りの買戻しであり、今日の値動きは明らかに買戻しが終了したことを表しています。ちなみに信用では売り禁止になっていますので、買戻しはすべて貸し株を利用したヘッジファンドと思われます。

 

昨日の大発会は4年ぶりの上昇(しかも大幅な)となりましたが、12月29日付のコメントでご説明したように、「年明け下落」に対する警戒感が台頭していました。昨日は、警戒感が強すぎた反動が一気に出た感があります。上記3銘柄のうちシャープだけは、本日もまだ上昇を続けていますので、上昇波動が完全に終わった、と断言はできませんが、終わりつつあることは間違いないでしょう。

 

ただし、「上昇波動の終了」=「下落が始まる」ではありません。しばらく高値圏でもみ合い、残った需給調整をこなした(買い需要が放出された)後に下落波動が始まる、という展開が想定されます。昨年の年明けと同様に、今回も下落波動を主導するのは米国株だと思われますので、米国株が明らかに崩れ始め、それが世界的株下落に波及したら、それを押し目と捉えるのではなく、下落波動の始まりと捉える心構えだけは大切です。