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2017年10月10日のマーケット・コメント

雇用統計&シカゴ筋ポジション

 

先週金曜日に発表された米国雇用統計は、非農業部門雇用者変化が事前予想の8万人増を下回る3万人減、平均時給が前月比0.5%増(事前予想0.3%増)、前年比2.9%増(事前予想2.6%増)と強弱混じった結果となりました。発表を受けて米国10年国債金利は2.35%から2.36%へ若干上昇、ドル円は一時113円台半ばまで上昇したものの、すぐに112円台に押し戻されました。

 

週末に発表された10月3日時点のシカゴ筋ポジションですが、円ショートは9月26日時点の114,310枚から143,413枚へ2週続けて大幅増加、円ロングは42,963枚から58,770枚へ今年最大の大幅増加となり、差し引きのネット円ショートは71,347枚から84.643枚へ2週続けて大幅増加となりました。84,643枚という水準は、7月半ばから8月半ばに10万枚を越えてネット円ショートが積み上がった時期を除くと今年最高に迫る水準であり、ポジション整理による円高進行のエネルギーが積みあがってきた状態だと言えます。ただ、円ロングポジションも積みあがってきたことを考えると、目先はボラティリティが低下する展開になる可能性もあります。

 

米国10年国債利回りが、今年5月と7月のピークの2.4%を越えて上昇する状況とは思えないこと、北朝鮮の挑発行動や日本の衆議院選挙動向など、リスク要因は円高進行要因であることを考えると、ドル円のトレーディング・ショートの見方を維持するのが妥当と考えます。ただ、金利水準に比較してドル円に出遅れ感があるため(過去半年間の相関に当てはめると10年国債利回り2.36%はドル円113.40円に相当)、最大で114円台半ばまでの円安ドル高進行があっても問題ないポジション管理が重要です。

 

目先の注目材料は10月13日発表予定の米国消費者物価指数(CPI)です。食料品とエネルギーを除くコアCPIは前年比1.8%が予想されていますが、期待インフレ率を意味するBEI率は1.87%まで上昇してきており、コアCPIが1.9%でほぼ中立、1.8%以下なら金利低下ドル下落という市場反応が想定されます。