シカゴ筋ポジション-売りサイン
先週末に発表された米国CPI(消費者物価指数)は、前年比2.2%、エネルギーと食料品を除くコア指数は1.7%と、ともに事前予想の2.3%、1.8%を下回る結果となりました。同時に発表された小売売り上げも1.6%と事前予想の1.7%を下回る結果となりました。これらの発表を受けて、米国10年国債利回りは2.32%から2.27%へ低下し、ドル円も111円台後半へ円高ドル安進行となりました。ドル円と米国10年国債の過去の相関に当てはめると、2.27%はドル円で112.05円に相当しますので、直近に生じていた相関のゆがみ(金利上昇にドル円が着いて行かない状態)はほぼ解消されました。なお2.32%から2.27%の低下の内訳は、BEI率が1.89%から1.85%へ0.4%の低下、10年物価連動債利回りが0.42%から0.41%へ0.1%の低下となっています。
先週末に発表された10月10日時点のシカゴ筋ポジションは、円ショートが10月3日時点の143,413枚から153,074枚へ更に増加、円ロングが58,770枚から51,655枚へ減少し、差し引きのネット円ショートは84,643枚から101,419枚へ更に増加しました。今年になってネット円ショートが10万枚を上回ったのは、7月11日から8月1日の期間しかありません。また、10月3日から10月10日のドル円推移は、10月6日の雇用統計発表直後に円安ドル高となった以外は円高ドル安傾向で、逆張り環境下での円ショート増加となります。過去ほぼ例外なく、逆張りでのポジション増加は不都合な方向へのレート変化のエネルギーとなってきました。今回で言えば円ショートにとっての不都合な方向は、円高ドル安進行です。米国10年債利回り2.1%台、ドル円110円トライを最低限のめどにトレーディング・ドルショート継続で問題ないと考えます。
米国株が堅調な中、ドル円と関係なく異様に強い日本株ですが、この状態が長く続くとは思えません。企業業績への過度な期待剥落などにより米国株が下落した時に日本株は過剰反応し、ドル円も円高ドル安進行する、と考えられます。