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2017年10月2日のマーケット・コメント

シカゴ筋ポジション-久しぶりに円ショートが大幅増加

 

先週末に発表された9月26日時点のシカゴ筋ポジションですが、円ショートが9月19日の93,757枚から114,310枚へ20,553枚の大幅増加、円ロングは42,435枚から42,963枚とほぼ変わらず、差し引きのネット円ショートは51,322枚から71,347枚へ大幅増加となりました。今年円ショートが20,000枚水準で増加した週は、5月9日から5月16日の週(23,029枚増加して101,971枚へ)、6月27日から7月4日の週(19,080枚増加して118,684枚へ)、続く7月4日から7月11日の週(34,219枚増加して152,903枚へ)の3回ありましたが、いずれも戻り高値を付けた時期でした。(5月11日114.38円、7月11日114.49円が戻り高値)

 

7月のように2週連続で円ショートが大幅増加した例もありますので、今回も同様になる可能性はあります。しかし、整理が進んでいた円ショートが大幅増加したことにより、円高進行エネルギーがたまってきている状況ですので、最大で114円台半ばまで円安進行が伸びる可能性を踏まえて、112円台半ばからは売り上がり、というスタンスを確認します。

 

今年はドル円と米国10年債利回りの相関が極めて高くなっていますが、2.0%=108円、2.1%=109.50円、2.2%=111円、2.3%=112.50円、2.4%=114円というのが、過去半年の水準感です。先週金曜日NY引けの米国10年国債利回りは2.33%(内訳は10年物価連動債利回り0.47%、BEI率1.86%)でしたので、現在の112円台後半のドル円と整合的です。

 

5月にドル円が戻り高値を付けたときの利回りは2.415%(物価連動債利回り0.541%、BEI率1.874%)、7月の戻り高値のときが2.386%(物価連動債利回り0.643%、BEI率1.743%)でした。CPI(Consumer Price Index、消費者物価指数)の対予想比連敗記録は止まりましたが、もう一つのインフレ指標である、先週末に発表されたPCE(Personal Consumption Expenditure、個人消費支出)のエネルギー・食品を除くコア指数の前年比は予想の1.4%を下回る1.3%でした。BEI率が現状の1.86%から上昇することは考えにくく、もし米国10年国債利回りが2.4%水準に上昇するとすれば、市場が織り込む12月利上げ確率の上昇により物価連動債利回りが0.50%を越えて上昇するシナリオしか描けません。つまり、5月の時と同様の内訳になる、ということです。

 

もちろん、ボックスの上限(利回り2.4%程度でドル円114円台乗せ)まで伸びずに終わる(例えば9月28日の113.26円が戻り高値になる)可能性もありますので、112円台後半の現状水準で少しでもポジションを取って、動きやすくしておくことが重要でしょう。