11月FOMCなど
昨日、米国でFOMC声明が発表され、「経済活動は着実に拡大している」「インフレ率は短期的には2%をやや下回ると予想されるが、中期的には目標である2%程度で推移すると見込まれる」とされ、12月13日FOMCでの利上げをあらためて示唆する内容でした。しかし市場ではすでに12月利上げは80%以上の確率で織り込まれており、市場の変動要因にはなりませんでした。米国10年国債利回りは2.36%に小幅低下し、過去の相関からこれに相当するドル円レートは113.40円ですので、現状の114円近辺のドル円は米国金利水準との比較においてやや買われすぎの水準です。
また、米国メディアは本日午後に正式発表される次期FRB議長人事について、パウエル理事だとする報道を伝えました。イエレン議長はハト派、テイラー教授はタカ派とみなされているのに対し、パウエル理事は中立派とみなされており、もし次期FRB議長がパウエル理事だとすれば、現状以上の金利上昇、ドル高要因にはなりません。ドル円が114円台半ばを越えて行くシナリオは、事前報道と異なりテイラー教授が次期議長に指名されることしかありませんが、その可能性はほとんどないと考えられます。ドル円のトレーディング・セルのスタンスを維持します。
ところで上昇基調が続く日本株ですが、一昨日の日銀決定会合後の会見での質疑応答で、黒田総裁はETF買い入れに関して「年間6兆円は枠であり、結果として未消化に終わる可能性もある」としました。年末までこれまでと同様のルール(前場引けでTOPIXが0.2%-0.3%程度下落した日に買い入れを行う)を適用し、無理やり枠を消化することはないということであり、ETF買い入れを継続するとしたことが日本株の買い材料視されていることには違和感があります。
ただ、昨日も海外株式市場もドル円もお構い無しで大幅上昇する日本株は、明確に上昇基調が終わったという値動きになるまでは手出し無用、というスタンスは継続です。