シカゴ筋ポジション続報-ドル円のトレーディング・ショート継続が示唆された
先週末に発表された11月14日時点のシカゴ筋ポジションですが、円ショートが11月7日時点の182,184枚から185,346枚へ増加、円ロングが54,336枚から49,347枚へ減少、その結果差し引きのネット円ショートは127,848枚から135,999枚へ更に増加しました。アベノミクス相場が始まった2012年11月以降で、135,999枚を上回ったのは2013年12月24日時点の143,822枚の1回しかなく、データが取れる範囲では史上第2位の規模です。これは、ドル円の上昇材料があっても上値は重く、何も材料がなければじわじわと下落、ドル円の下落材料があれば急落、ということが想定される状況です。
参考までに2013年12月24日以降のドル円推移は、2014年年明けすぐに105.47円で高値をつけてから、5週間で100.76円の安値まで調整、ネット円ショートは76,829枚まで減少しました。2013年12月の増加がドル円上昇に順張りでついて増えていったのに対し、11月7日から11月14日は、11月14日の反発を除くとドル円は下落傾向の中での増加であり、一番良くない「逆張り増加」であることは重要です。投げエネルギーが最もで安い状況であり、余力がある方には売り乗せの検討をお勧めします。もし順張りで売り乗せることに抵抗があれば、112円台後半への戻りがもしあれば(無い可能性も高いですが)売りあがりでもいいでしょう。
ドル円の調整幅は、高値から最低5円幅であることを考えると、直近高値が114.74円なので、最低でも110円トライまではある、ということになります。111円台後半には、9月安値から11月高値のフィボナッチ38.2%押しの111.90円、200日移動平均線の111.76円、日足一目均衡表の雲の上限と10月16日安値の111.65円、75日移動平均線の111.64円と、テクニカル上のフシが数多くあり、一旦サポートされる可能性はあります。ただそれは裏を返せば、それらのサポートを下抜けたら一気に110円トライまで行きやすい、ということも意味します。
現在の米国10年国債利回りは2.33%で、過去の相関から算出されるドル円は112.95円と、金利に対してドル円が1円ほど先行して下落していることになりますが、大規模なポジションの偏りを考えると、ドル円が金利にあわせて水準訂正する可能性は低く、金利が追従する形での修正か、ドル円と米国10年国債利回りの相関は維持されつつも金利に対する対応レート自体が下方に修正される(これまでは2.30%=112.50円で、金利0.1%の変化で1.50円の変化だったが、例えば2.30%=111.50円に変わるということ)可能性が高いでしょう。
結論を強調すると、
1.ドル円のトレーディング・セル(ドルのショート)姿勢は継続。
2.吹き値売りはすべきだが、押し目買いは超危険。
3.順張りでの売り乗せもあり。
4.買い戻し目処は少なくとも110円トライ。