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2017年11月24日のマーケット・コメント

ドル円と米長期金利の関係-続報

 

11月22日にドル円は多くのチャートポイントが集まる111円台後半を明確に下抜けました。きっかけはイエレンFRB議長の「利上げを急ぎすぎるとインフレ率2%達成を阻害しうる」という、まったく目新しくない当然の発言でした。しかし、含み損を抱えた円ショート筋の買い戻しを誘発するには十分だったということで、需給に勝る市場変動要因はないことが確認された格好です。しかし1日でポジション整理が終わったとは思えず、最低でも110円トライまではあると思いますので、ドルの買い戻しは110円前半から買い下がりでいいと思います。

 

ドル円と米国10年国債利回りの関係ですが、現在ドル円は111.35円、米国10年国債利回りは2.34%(内訳はBEI率1.86%、物価連動債利回り0.48%)となっています。0.1%=1.50円という変動幅が変わっていないとすれば、2.30%=110.75円ということになります。ドル円のポジション整理がドル円を今後も押し下げることを考えると、2.30%=110.50円まで水準訂正が進むことが想定されます。金利の低下余地が2.20%(内訳はBEI率1.80%、物価連動債利回り0.40%というイメージ)程度まであるとすれば、その時のドル円は109円近辺ということになります。

 

今年4月以降のボックス圏レンジの下限は、4月安値108.13円、6月安値108.68円、9月安値107.36円でした。それを考えると、今回の安値めど109円近辺に違和感はないでしょう。ただ、シカゴ筋のポジション整理の進行と実際のドル円と金利の関係変化次第で、この安値めどは変更する必要が出てくる可能性があります。