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2017年11月8日のマーケット・コメント

米国金利に対するドル円の堅調さが修正される時

 

ドル円と米国10年国債利回りの強い相関が、昨年2月以降続いています。特に過去半年感の相関は非常に強く、ほぼパラレルに動いてきたといってもよい状態です。それが今月に入ってから、金利低下に比べてドル円が底堅い動きとなっています。過去の相関から算出される、昨日の米国10年国債利回り2.31%に相当するドル円は112.65円です。現在のレートから1円以上の乖離です。しかしこのことから相関が崩れ始めたと考えるのは早計でしょう。

 

過去を振り返るとドル円が相関する相手は、リーマンショック後頃までは日米短期金利差で、米国短期金利が0%となり、金利差が動かなくなってからは(特にバーナンキ前議長がQE2を示唆した以降は)、日米マネタリーベース比率(日米中銀の通貨供給量の差)が相関の相手になりました。その相関の相手が現在の日米長期金利差(日本の金利は日銀によりほぼ固定化されているため、日米長期金利差=米国長期金利上下)に変化したのは、2016年2月から日銀がマイナス金利政策を導入したことがきっかけでした。つまり相関の相手は、それまでの相手がもはやワークしにくい状況になったときに、大きな政策変更をきっかけに切り替わるが、その変化の頻度は数年に1回程度、ということです。

 

米国長期金利は依然として上下に変化しており、それに変わる相手も見当たらず大きな政策変更もない状況を考えると、いずれドル円と金利のズレは修正されると考えられます。ではズレを生んだ要因は何かを考えると、日米株式市場の強さだと思われます。前回のコメントでご説明したように、円ショート・ポジションは溜まったままなのですが、株がまったく調整しないことによりリスクオンの後退による円の買い戻しが入らない状態が続いている、ということです。

 

この状態を逆に考えれば、多少であっても株式市場の調整があれば、ポジションが溜まっている以上、ドル円は一気に金利とのズレの解消に向かう、と考えられます。米国では昨日、法人減税を含む税制改革実施が1年先送りとの報道がありました。米国での株安長期金利低下要因になりえます。日本株も手が届きそうなフシを、日経平均もTOPIXもすべてクリアし、達成感が出やすい状況でしょう。トレーディングでのドルショートがなかなか収益化できず、我慢の状態が続き申し訳ありませんが、ドル円と米国長期金利との相関は継続することを信じるべきと考えます。