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2017年11月9日のマーケット・コメント

米空母3隻合同演習の意味

 

本日米軍は、日本海で11月11日からロナルド・レーガン、ミニッツ、セオドア・ルーズベルトの大型空母3隻を中心に、4日間の演習を行なうと発表しました。まだ正式発表はありませんが、日米韓3国の合同演習になるものと思われます。空母3隻参加ということは、完全に実践を意識した演習ということです。過去、米軍が攻撃を仕掛けるときには、空母が最低3隻から編成される空母打撃群で行なわれました。以前、米空母が北朝鮮近くの日本海を航行したことがありましたが、その際は空母1隻のみで、デモンストレーションにすぎませんでした。今回の空母3隻参加は本気の証です。

 

ちょうど演習が行なわれている間に、トランプ大統領は米国に帰国します。演習実施を受けて、北朝鮮がどのような言動をするかを見極め、場合によっては演習から本番につなげることも視野に入れている可能性があります。このタイミングで本番にならなくても、公然と核兵器やICBM開発を行なっている国に対して、口撃のみで攻撃せずに終わらせたら、米国という国の存在意義が失われます。貿易や税制でなかなか成果の上げられないトランプ大統領にとっても、わかりやすい成果となります。

 

年明けには冬季オリンピックが控えており、攻撃しにくいと思われるため、本番は年内に行なわれる可能性が高いことを前提にすると、クリスマスシーズン前に片付けたいと考えているのではないでしょうか。トランプ大統領帰国後1ヶ月間が、攻撃実施の可能性が最も高いと考えられます。適温相場にも激震が走るのではないでしょうか。もしかすると本日後場の日本株急落は、北朝鮮リスクを再び織り込み始めたことが背景にあるかもしれません。