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2017年12月11日のマーケット・コメント

米雇用統計&シカゴ筋ポジション

 

先週金曜日に発表された米国雇用統計ですが、非農業部門雇用者数は事前予想の19.5万人増を上回る22.8万人増(前月実績は26.1万人増から24.4万人増へ下方修正)、失業率は事前予想通りの4.1%、前年比平均時給は事前予想の2.7%を下回る2.5%(前月実績は2.4%から2.3%へ下方修正)でした。前月の下方修正を合わせて考えると、非農業部門雇用者数変化は予想比1.6万人上ぶれ、前年比平均時給は0.3%下ぶれで、依然として労働市場は堅調なもののインフレ期待が盛り上がらない状況が続いていることが示唆されました。

 

雇用統計発表を受けて、米国10年国債利回り、ドル円ともにほぼ変わらずの反応でした。インフレ期待が盛り上がらない限り、利回りが2.40%を大きく越えて上昇する展開は考えにくく、ボックスレンジの上限近くにある、という見方を維持します。それはドル円が114円を大きく越えて上昇する展開は考えにくい、ということを意味します。

 

金利動向に並び、ドル円の需給を示唆する上で重要なシカゴ筋ポジションですが、12月5日時点では、円ショートが11月28日時点の150,433枚から149,033枚へ微減、円ロングが39,793枚から34,766枚へ減少、差し引きのネット円ショートは110,640枚から114,267枚へ増加となりました。円ロングは7月25日の28,018枚以来の低水準、円ショートは微減とはいえ引き続き高水準で、ドル円の上昇材料には反応が鈍く、ドル円の下落材料には敏感に反応しやすい状況だと言えます。

 

今週の材料候補としては、12日のアラバマ州上院議員補欠選挙(共和党が敗北の場合ドル円下落材料)、13日のCPIおよびFOMCがあります。また、米国税制改革法案動向もあり、上下院のすり合わせが難航だとドル円の下落材料です。トレーディングでのドルショート継続姿勢を維持します。ただ、次の安値めどである109円近辺まで引っ張るのではなく、直近安値の111円割れから買い戻しをはじめ、ドル円の反発時に対応しやすくするべきでしょう。